…ー夕方
つんつんとゼインはタコピーの頬をつねる
固まったままのタコピー。
その手元に握られていたカメラが、
ビーッという小さな音を立てて、一枚の写真を吐き出した。
ラファエルたちが話しているその間に、
ゼインは静かに“戻る”支度をしていた。
騒がしい空気の中、
白衣や重々しい外套に身を包んだ者たちは、
身なりもままならぬ、
数々の傷を負った人々に命じるように問いかけていた。
遠目からその様子を見守っていた二人の男性は、
笑みを交わしつつ、互いに言葉を交わしていた。
そう言うと、保科やラファエルたちは互いに視線を交わし、
周囲を注意深く見渡した。
血痕、飛び散った血
腐った肉や骨の断片
死体や切断された体の一部
破れた衣服や衣類の残骸
脳や内臓の断片
目玉や歯、髪の毛の塊
蛆虫や蠢く小虫、ハエ
吐瀉物、汚れた食べ物の残骸
それらすべてが、ラファエルたちの視界いっぱいに映った。
「アリア」――そう言ったゼインの表情は、
とても明るかった。
だが同時に、ラファエルたちは瞬時に目を見開き、
驚きと戸惑いの入り混じった視線で、アリアとゼインを交互に見つめた。

小声でアリアがそう叫んだかと思うと、
ゼインははっとしたように目を見開き、
次の瞬間、何も言わずに黙り込んだ。
コツコツと響く足音。
ゼインたちのいる場所よりも
断然綺麗な部屋から、数名の男性が姿を現した。
チッ と小さく舌打ちが響き、
その場の空気が張り詰めた。
ぐしゃッ…
長官は手に持っていた酒を、
目の前の子供めがけて投げつけた。
その酒を浴びたのは、ゼインだった。
長官はゼインを鋭く睨んだ。
しかしゼインも負けじと、長官を睨み返す。
その反抗にぶち切れたのか、長官はゼインの髪を掴み、
力任せに引き上げた。
それを聞いた途端、長官はぱっと手を離した。
バサッ!……と、ゼインの髪を握っていた力が抜ける。
。
。
。
成長してる証拠だよ⭐️と言ったアリアの横には顔に
大きく怒りマークが張り付いているゼインの姿があった
お花ピン
頭に刺すと周りの人からハッピー花に見える様になる道具である。
だが、地球人にはハッピー花はドクダミの花として認識される。





























編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。