同じクラスだった爆豪勝己くんは、クラスの中で1番目立っていた人
でも、こんな人は目立っても別になんとも思わない。
爆豪くんの個性は爆破。かなりの強個性なうえ、彼自身の戦闘センスも高くて、判断力もある
でも、私はどちらかと言うと彼が苦手だった
だから、卒業した今でも少しおどおどしてしまう
雪女とは、爆豪くんが私につけたあだ名
私の見た目が真っ白だから、そのまま雪女だそう
別に、自分がどう言われようがどうでもいいので、私はいつもスルー
爆豪くんは軽く舌打ちをすると、無言で去って行った
だからといって、別に気にすることでもないので、私はそそくさと門を開けて施設に入っていった
お米を渡すと、私は自分の部屋に戻った
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爆豪くんに会ってから数日が経ち、私の通おうと思っている高校の入試が行われる日が来た
今日までで、たくさんのことがあって、普通の人なら疲れてしまうと思う
けれど、私は慣れていたから、何も思わずに勉強にも集中できた。
矢摩さんは勉強を強制する人では無いので、私が勉強に飽きて違うことを行っていても何も言わない。だから、やりたい時にしっかりとすることができた。
試験官の合図で、皆が一斉に紙を表に向ける
ペンを書き連ねる音
紙のこすれる音
色んな音がするけれど、静かな会場
それがまた、緊張を引き起こす原因となると聞いたことがある
と、私は余裕を持ってテストを行うことが出来た。
もちろん、その後全てのテストも
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テストが終わり、私はすぐに施設へ帰った
帰ってすぐ、家着に着替えると、私はベッドに飛び込んだ
試験後というのは、緊張がいっきに去って疲れる人が多いという
けれど、私のこれは少し違う
私の個性は、使いすぎると相手に忘れられてしまう。
だけど、逆に全く使わないでいると、こうして頭痛が伴う
これは、個性そのものが私の感情となり得ているため、使わない=感情を出さないということに繋がり、頭が混乱するから
使えば忘れられ、使わなければ自身が朽ちる
こういう時は、とにかく個性を使うしかない
私は、私の個性が嫌い
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。