私はフィンがいる、という部屋に入った。
ここまでの道のりは結構簡単に進み、油断ができなかった。
暗闇から声が聞こえた。
フィンは思っていたより若かった。二十歳すぎぐらい。
ていうかハリー○ッターみたいな格好してるんですけど……
私は、杖を取り出してフィンと向かい合う。
と、そこで我に返る。まずは、ナーナを救わなくては。
後ろに、手足を縛り付けられた女の子のすがたがあった。
あれだ。
私は後ろにさっと走りだし、女の子の目の前に立つ。
……きっとこの子だ。記憶がそう答えている。
ナーナの状態が、おかしい。
と、私は、ナーナの異変に気づく。
目の、色。色が、真っ黒。
もしかしたら、これが元からかもしれない。
でも、違和感があった。
この目、どこかで見たことがある。
……でも、考えていたらやられてしまうかもしれない。
私は薬を探すことを優先した。
後ろから何か固いもので、私は背中を叩きつけられた。
ひりひりとした痛みが体を走り、悲鳴をあげた。
呪文を唱えて少しはましになったものの、痛みは収まらなかった。
でもあまり時間はない。私は体が悲鳴をあげているのに我慢して、奥の部屋にホウキで急ぐ。
“姿形を変える容器に入っている“
両親の言葉を思いだし、私は目を光らせる。
と、ふとあるところで足が止まった。
「アピアン」
とかいてあるドアを見つけたのだ。
アピアンはとても高く、あまりお目にかかることができない。一回見てみたいと思ったが、私の今の目的は薬を見つけること。
奥の部屋に、薬がない。
私はフィンのいた部屋に戻り、コンピューターをハッキングしてナーナの手足を縛り付けていたビームを消す。
と、そこでぞろぞろと手下が入ってきた。
-隠れないと……
私がこの建物で一番最初に思い付いた隠れ場所は、あそこしかなかった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。