_____________撮影が終わり、とうあは帰っていった。
今日の編集担当であるひゅうがとあむぎりは、そそくさと編集部屋に行った。
ゆうまはふとさっきのことを思い出す。
ゆうまは帰る準備を終えて立ち上がり、
そう、ゆうたに告げた。
すると…
ガシッ
突然腕を掴まれる。
…。
…え、それだ、け、?
自分から掴んできたのに、黙ってしまうゆうた。
しかし、その手を離そうとしない。
なかなか口を開かないゆうたに、そう尋ねるゆうま。
最近ゆうたとはすれ違いが多くて、なかなか話せなかった。
だから、咄嗟に掴まれたとはいえ、この状況は正直嬉しくて、、、
やっと、ゆうたが話し出す。
ゆうたが自分から誘うことは滅多にないので、ゆうまはひどく驚いた。
確認のためもう一度聞く。
ゆうたは黙って頷いた。
そんな頷く彼の耳はほんのり赤い。
キュンッ……
なぜか胸が締め付けられる。
銃弾で撃たれたような、、
そんな感じ…。
でも痛くはなくて、気持ち悪くもなくて、、
なにか心地いい…。
この気持ち前もどこかで……。
時々くるゆうたのデレ期には、ほんとに狂わされる。
最近なんて特にそうだ。
なぜかゆうたを意識してしまう。
バチッ
ゆうたが急に上を向いて、目が合う。
…ギュンッ
また胸が締め付けられる。
さっきとはさらに強く、、
"触れたい"
そう思った。
徐々にゆうまの手が上がっていく。
突然そう言われ、一瞬ゆうまの動きが止まる。
そんなことには気づかず、ゆうたはゆうまに背を向け、玄関へと歩き出す。
ゆうまは途中までゆうたを触れようとしていた手で、自分の頭をかきながら言った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!