※25話の続きです。
やまとからそう指示され、俺とひゅうがは所定の位置に寝っ転がった。
___________〈撮影中〉
ひゅうがが声を上げる。
今日の編集はひゅうがとあむぎり。
帰る支度をしているとうあに、ひゅうがが話しかける。
そう言って、とうあは帰っていった。
一息付き、ひゅうがが言う。
早々と編集部屋に向かうひゅうがに、急いでついていくあむぎり。
"ゆうまはどうするんだろう。"
そう思い、ゆうまを見ると、もうすでに彼は帰ろうとしていた。
そう言ってゆうまが横を通り過ぎたその時、、
ガシッ
ゆうたがゆうまの腕を掴む。
必死に言葉を探す。
…やべえ、なんも言葉が出てこねぇ、
…クッソ、用もないのに引き留めるとか、、
…らしくねぇ、、
ゆうまは早く帰りたいはずなのに、俺が掴んでいる手を振り払おうとせず、ただ優しい眼差しで、見てくる。
"あぁ、俺が惚れた男はこんなにも優しい"
"まだ一緒にいたい"
そう思った。
ゆうまは一瞬驚き、
そう、首を傾げながら聞いてきた。
俺は黙って頷いた。
幸い、撮影が終わったばかりだからか、みんなバタバタしていて、ゆうたとゆうまのことなんて気にもしていない。
でも、もし、今のこの状況を誰かに見られていたら……
なんて考えながら、上を向く。
目の前には大好きな彼の顔。
"好きだな"
そう何度も思う。
いつの間にこんなに気持ちが大きくなってたんだろう。
…でもその気持ちは俺は伝えることができないし、きっと伝わらない。
なんて、心の中で怒りながら、
ゆうたはゆうまにそう言った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。