第4話

Moon night ( 山田涼介 )
339
2019/10/01 12:55
次の日 。




『 クビ 』


「 はい ? 」


『 クビだよ 。 お前はクズだ 。 会社を破産させた 。』




破産 。


女性は本物の未来人なのか …… 。 予言が当たっている 。

家を出る前 、 女性はこんなことを言っていた 。

『 必ず今日 、 クビになるはずです 。 酷いバッシングを受けるはずです 。 でも 、必ず家に帰ってきてください 。 死んじゃダメです 。 この家で 、私は待ちますので 。』



その言葉通りに クビになり 、 酷いバッシングを受け 、 メンタルは最悪であった 。 しかし 予言通りなのだから 驚くこともない 。 さあ 、帰ろう 。 会社が俺を売らない限りは 、 俺に世の中の目は向かないだろう 。



「 ただいま 、 」


『 おかえりなさい 。 よく帰ってきました 。 』



そこには 、 当然のごとく エプロンを着た 女性 。 どっかで見たことあるような気がする 。 気の所為だ 。 気の所為 。 有り得るわけがない 。 初対面だぞ 。





「 予言 …… 、 当たってて …… 。 バッシング凄くて 、 メンタル最悪で …… 」




気付けば泣いていた 。 予言されていたとしても 悲しいものは悲しいのだ 。 未来の俺はこんなバッシングに耐えきれず自殺したのか 。 気持ち 分からなくもない 。

ただ 、俺がこの家に帰ってきた理由 。 女性がいたから なのだろうか 。 疑うまでもなくそうだろう 。 それ以外に見当たらない 。


『 涼介は よく 頑張ったんだよ 。 お疲れ様 。 』




いきなりの呼び捨て 。 それと同時に抱き締められる感覚 。 初めてじゃない 。 知ってる感覚 。 そう言えばあの動画も初めてじゃない気がする 。


何故だ 。 未来の動画に見覚えがあるというのか 。 いや 、 女性の名前も知らないぞ俺 。

でも 、想像が付いた 。 俺が考えるにはおそらく …… 、 あなた って名前だ 。 このエプロンの姿 、 見た事がある 。




「 ありがとう 。 そう言えば名前は ? 」


『 あ っ! ごめんなさい 。 あなた って言います 。 』



やっぱり 。

これは死んだ俺からのメッセージか ? でも 、どうやって ? じゃあ 、この女性は誰 ? 未来では俺と関わっていたのか ?



「 ごめんなさい 。 なんかあなたに 見覚えが …… 、 」




すると 、女性が ニヤリと微笑み語りだしたのである 。

プリ小説オーディオドラマ