※ マイナーすぎる
金久保さんがいる
_____________________________
若林 side
俺には付き合っている人がいるんだが 、
彼はどうも " 好き " という言葉を言うのが難しいらしい 。
目を合わしてもすぐに逸らすし 、
近づくと顔を赤くするし 、
挙句の果てには金久保の後ろに隠れる 。
前2つは可愛いんだが 、
最後だけはどうしてもモヤッとする 。
俺の彼女だろ 、と心の中で小さく突っ込みながら 、
それでも強く言えないのは 、
指原が本気で恥ずかしがっているのを知っているからだ 。
金久保の背中から半分だけ覗く顔は 、
耳まで真っ赤で 、視線は床に落ちている 。
金久保の服の袖持っちゃってさ 、
流石の俺も妬くよ?
何も言わない指原は 、 俺のことをじっと見てくるだけ 。
俺の視線に気づくとすぐに俯いて 、
指先をもじもじさせる 。
強気みたいで 、全然強くない 。
可愛いって言われると拗ねるのに 、
嫌だとは一度も言わない 。
そのくせ俺が少し距離を取ると 、
不安そうにこちらを見る 。
ずるいくらいに 、可愛い 。
だから俺は溜息混じりに笑って 、
そっと手を差し出すだけにした 。
好きなら好きって言えばいいのに 。
でも言えないところも可愛いんだが 。
その声は小さくて 、でもちゃんと照れていて 、
俺だけに向けられたものだった 。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。