着替え終えると、私はテヒョンに
教わりながら、人生初のサーフィンを体験した。
そして、
「 何事も最初が1番難しい 」
という言葉を実感した
立派にサーフィンをしている
イヒョンくんを見た私は、
すっかり敗北感に包まれた。
さっきのことで、
イヒョンくんは気まずさを感じているかも
なんて思ったけど ...
固い決意を瞳に宿して、
イヒョンくんは再び並に向かって行った。
頑張れ私、子供より諦めが早くて
どうするの
気を取り直して練習を続けた私は
テヒョンに助けてもらいながら、
遂にサーフボードの上に乗ることができた
方向のコントロール方法を
マスターして、
私はようやくこのスポーツの楽しさを
実感した
海風に沿って進んでいくと、
まるで雲の中でサーフィンをしているような
気持ちになった。
テヒョンは傍について、
私に声をかけてくれて、時々
向きを変えるように教えてくれた
テヒョン、社長だから指示を出すのは
得意だと思ったけど、
教えるのも上手なんて意外だな ..
サーフィンの楽しさに舞い上がった私は
少し気を抜いた途端に
バランスを崩してサーフボードから
落ちてしまった。
やばい、力が入らない ... !
いつの間にかそばに泳いできた
テヒョンは、もがいていた私をすぐに
助けてくれた。
まだまだ遊び足りなかったが、
手足はもう動きそうになく、
これ以上続けると危険だ
私のつぶやきを聞いたテヒョンは
俯いて少し考えていた
再びサーフボードに乗った私は
少しずつ海風に慣れてきたけど、
先程の海風とは違うように感じる。
それはきっとテヒョンから
香ってくる淡い松の木の香りが
海風に混じっているせい
2人乗りなんて、テヒョンさんらしい ..
私の背中は、今テヒョンの
厚い胸板にもたれかかっている。
風が坂巻き、潮風が吹きすさぶ中でも
私はテヒョンの力強い鼓動を
背中越しに感じていた。
私が一緒に乗っているのにも関わらず、
サーフボードは上下する波の中でも
抜群の安定感を保っていた。
私はテヒョンと共に海風に乗り、
景色の良い海岸のウィンドサーフィンを
楽しんだ。
.
1時間ほど経って、思いっきり遊んだ
私達はそろそろ帰ることにした。
それを聞いた私は、砂浜で行方不明に
なったパーカーを探し始めた
私がなくなったパーカーの特徴を
説明すると、
彼は申し訳なさそうに首を横に振った。
気に入ってたパーカーだから、
ちょっと残念だけど仕方ないか ..
テヒョンは渋々私の説明に頷いた
だか、少し眉間にシワのよった表情は
テヒョンがまだ何か考えている証拠。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。