第10話

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2024/05/01 12:00


着替え終えると、私はテヒョンに
教わりながら、人生初のサーフィンを体験した。


そして、


「 何事も最初が1番難しい 」


という言葉を実感した


立派にサーフィンをしている
イヒョンくんを見た私は、
すっかり敗北感に包まれた。


さっきのことで、
イヒョンくんは気まずさを感じているかも


なんて思ったけど ...

イヒョン
認めるよ、今は僕の負けだ !
でも待ってろよ、すぐに追いついてやるからな !!
イヒョン
サイドバンクもスーパーバンクも、絶対成功させてみる !


固い決意を瞳に宿して、
イヒョンくんは再び並に向かって行った。


頑張れ私、子供より諦めが早くて
どうするの


気を取り直して練習を続けた私は
テヒョンに助けてもらいながら、


遂にサーフボードの上に乗ることができた

テヒョン
テヒョン
いいね、その調子
風が吹いてくる方向を感じて、風の流れに身を任せてみて
テヒョン
テヒョン
そのまま重心を維持して、センターラインを意識して保つんだよ


方向のコントロール方法を
マスターして、


私はようやくこのスポーツの楽しさを
実感した


海風に沿って進んでいくと、


まるで雲の中でサーフィンをしているような
気持ちになった。


テヒョンは傍について、

私に声をかけてくれて、時々
向きを変えるように教えてくれた


テヒョン、社長だから指示を出すのは
得意だと思ったけど、


教えるのも上手なんて意外だな ..


サーフィンの楽しさに舞い上がった私は
少し気を抜いた途端に


バランスを崩してサーフボードから
落ちてしまった。


やばい、力が入らない ... !

テヒョン
テヒョン
掴まって !


いつの間にかそばに泳いできた
テヒョンは、もがいていた私をすぐに
助けてくれた。

テヒョン
テヒョン
初心者にしては悪くなかったけど
もっと体力をつける必要があるね ㅎ
テヒョン
テヒョン
体力づくりのための運動も徐々に
進めていく必要があるけど、
今のあなたには休憩が必要だね ㅋㅋ


まだまだ遊び足りなかったが、


手足はもう動きそうになく、
これ以上続けると危険だ

(なまえ)
あなた
もっとウィンドサーフィンやりたかった ..


私のつぶやきを聞いたテヒョンは
俯いて少し考えていた

テヒョン
テヒョン
わかった、俺が乗せてあげる


再びサーフボードに乗った私は
少しずつ海風に慣れてきたけど、


先程の海風とは違うように感じる。


それはきっとテヒョンから
香ってくる淡い松の木の香りが


海風に混じっているせい


2人乗りなんて、テヒョンさんらしい ..


私の背中は、今テヒョンの
厚い胸板にもたれかかっている。


風が坂巻き、潮風が吹きすさぶ中でも
私はテヒョンの力強い鼓動を


背中越しに感じていた。


私が一緒に乗っているのにも関わらず、
サーフボードは上下する波の中でも


抜群の安定感を保っていた。


私はテヒョンと共に海風に乗り、
景色の良い海岸のウィンドサーフィンを


楽しんだ。




1時間ほど経って、思いっきり遊んだ
私達はそろそろ帰ることにした。

(なまえ)
あなた
あれ、テヒョン
私のパーカー見なかった ?
テヒョン
テヒョン
あなたが持ってきた日焼け止め防止用のパーカーのこと ? 俺は見てないな~


それを聞いた私は、砂浜で行方不明に
なったパーカーを探し始めた

ビーチの観光客
お嬢ちゃん、パーカーを失くしたのかい ?


私がなくなったパーカーの特徴を
説明すると、


彼は申し訳なさそうに首を横に振った。

ビーチの観光客
それならカモメがくわえてるのを見たよ
見ているだけしか出来なくて、ほんとにすまないね
(なまえ)
あなた
いえ、教えてくださってありがとうございます


気に入ってたパーカーだから、
ちょっと残念だけど仕方ないか ..

テヒョン
テヒョン
おかしい .. 観光客の服に興味を持つ鳥なんてこれまで聞いたことがないぞ
(なまえ)
あなた
きっと私のパーカーのラメが目立ちすぎたせいかな ..


テヒョンは渋々私の説明に頷いた


だか、少し眉間にシワのよった表情は
テヒョンがまだ何か考えている証拠。

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