第44話

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2024/04/16 13:55 更新
オーターは、ドアの前で杖を構えて立っていた。
オーター
……チッ
舌打ちをする。
オーターの苛立ちは、もう限界に達しようとしていた。
あなたが部屋から出たすぐ後くらいのことである。
それを確認したオーターは、攻撃を強めた。
昼間の街まで轟音が響くくらいの強さで、だ。

しかし、扉が壊れる事はなかった。
仕方なく、隣の部屋から壁を突き破ろうとする。
幸い、その部屋は無人だった。
普通の壁なら簡単に壊せる。
魔法を使わなくても、足だけでもいけそうだ。

しかし、今度は壁が壊れない。
そこでオーターは考える。
中に居る誘拐犯達の魔法は、強度を向上させる魔法ではないか、と。
オーター
(そうだとしたら厄介だ……)
戦闘向きの魔法とは言えないが、誘拐をするとなれば強い。

窓みたいに鍵が付いていればよかったのだが、壊されていた。
そこが盲点だったかもしれないが、オーターは窓を通れるほど小さくはない。
モナクが来ることも想定外だったのだろう。
他に入る手段があるとしたら……
オーター
(上からならいけるかもしれないな。)
そこは強化されていない可能性がある。
確か上の階もあったはずだ。人が住んでいないのなら可能だろう。
そう思い、部屋を出ようとしたその時だった。
やばそうな輩
なっ……何故だ……?
誘拐犯共がそう叫ぶのを聞いて、オーターは急いで現場へ駆け付ける。
やばそうな輩
こ、これが壊れるはずがないだろ……⁉︎
オーターも目を見開く。
そこには、粉々になった鉄のようなものが積もっていた。



あなた
オーターさんの部屋ってどこか分かる?
モナクは縦に動く。
知っている、という意味だ。
やはり魔法局は広い。
外から見ると、窓が沢山あってどこがどこだかなんて分からなかった。

多分、窓が割れてるから目立っているはずなのだが……
あなた
あそこ……かな?
明らかにおかしい部屋が見えた。
破片がパラパラと落ちている。
あなた
(結構ひどい割れ方……)
助けてもらったのだから文句は言えない。
……言えないのだが、流石にあれはちょっと引く。
もう少しマシな割り方はなかったのか、と心の中で聞いた。
部屋に入る。
中には誰もいなかった。
_ _.。o(あの爆音で誰も来ないんだな。)
モナクの声を聞き流しながら、あなたはメシシスを掴む。
あなた
(……あれ?)
長さがおかしい気がしたが、少しの間持っていなかったから、たまたまそう感じただけかもしれない。
すぐにモナクを連れて、外に出る。
魔法局の人
やっぱ誰かいますよね……?
魔法局の人
今、物音がした気が……
出た瞬間に、そう声がした。
しかし、ここで足を止める訳にもいかないので、心の中で謝る。
ごめんなさい、私の箒のせいです……
そう言っている間にも、オーターの部屋は見えなくなった。
大分操縦にも慣れたのか、スピードが先ほどよりも速い。
囧٩(そういえば固有魔法って使えたっけ?)
あなた
殆ど使えない……
 
オーターの発言を思い出す。
あなた
というか使っちゃだめって言われてる。
そこまで言って、モナクと同類のことに気付いた。
しかも、モナクは許しを得ているが、あなたはそれすら得ていない。
街を滅ぼすことも可能……そう考えると、怖くなってきた。
説教は避けられないだろう。
また街が騒ついているが、それ以上に緊張が強まってきて、それどころではなくなった。
ここまでやってしまったのだから、もう引き返せない。
ω๑ (なんかあったら俺のせいにすれば何とかなるっしょ。)
下を向いて、何かを考えるような様子のあなたに、モナクはそう言った。
ついに部屋が見える。
まだオーターは中に入れていないようだ。
音を立てないように、慎重に近づく。
メシシスも出して、すぐ使えるようにした。
Σ੧(行くよ。)
こくりと頷く。
窓を通って、オーターに夢中な誘拐犯達の後ろまで行く。
そして、鉄板の方に杖を向けて言った。
あなた
ポールヴァイス!
何も考えずに言った。
魔法を使おうとした時、頭の中にスッと浮かんできたのだ。
じゃりじゃりじゃりじゃり
すぐに、それは簡単に砕けていった。

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