第6話

華が散る頃に
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2026/03/19 16:43 更新
主な登場人物

・円堂守

・風丸一朗太

・鬼道有人(ちょっと)


※前回の続きみたいなものです。

cp的には円夏だけど夏未出てきません。ごめんなさい。

風丸がただただ可哀そうな感じにはなっちゃったかもしれません。
 練習が終わって、もう日が沈みかけた時だった。

 部室でユニフォームからジャージに着替えた。

 着替えが終わってすぐに、俺はいつも通りあいつに声をかけようと思った。

 「円堂、そろそろかえ、、、」

 まだ練習をしていたあいつを呼ぼうとしたときだった。

 あとから行くから先に着替えていてくれと言われた理由が、すぐに分かった。

 ー あ、、、 ー

 昔からの親友が、一人の女性と楽しそうに話していた。

 赤みがかった茶色の髪が、よく似合う。

 俺もよく知っていた人物と、ベンチに座りながら話していた。

 何を話しているかはわからなかったが、何となく考えていることはわかった。

 「、、、」

 そして、二人を置いて、走って去ってしまった。
 「、、、最悪だ」

 つい円堂を置いて帰ってしまった。

 「うわ、、、めっちゃメール来てる、、、」

 ケータイをみると、円堂からものすごい量のメールが来ていた。

 『風丸どこ行った?』

 『おーい』

 『もしかして先帰っちゃった?』

 同じような内容だが、二、三分置きに送られてきた。

 「、、、合わせる顔がねぇし、どう返すべきかも、、、」

 結局その日は、返信できなかった。
 「風丸、昨日なんかあった?」

 練習が始まる前、円堂が声をかけてきた。

 「、、、え?あ、いや、用事思い出して、、、」

 突然声をかけられたことに驚いて、適当に返してしまった。

 「そ、そっか、、、ごめんな、待たせたのに、、、」

 「いや、いいよ」

 少しの無言が続いたが、俺は意を決して、口を開いた。

 「あの、さ、円堂」

 「ん?どうした?」







 「昨日、夏未と何話してたんだ?」





 「、、、え?」

 円堂は、聞かれたことに驚いていた。

 「だから、昨日二人で話してただろ?なんかあったのか?」

 少しからかい気味に聞いてみた。

 そして、円堂のほうを見てみた。

 「、、、いや、とくには、何も、、、」

 顔を赤らめながら、ごまかす円堂がいた。

 「円堂は、夏未のことが、好きなのか?」

 「え!?いや、そういうのはよくわかんないっていうか、えっと、、、」

 あからさまなリアクションに、一周回って笑ってしまった。

 「はは、お前ってわかりやすすぎるよな」

 「、、、悪いかよ」

 すねたように頬を膨らませる姿が、かわいいと思ってしまった。

 「いや、かわいいなって」

 「か、かわっ!?」

 大きすぎるリアクションにまた笑ってしまった。

 笑うな!とポカポカ殴ってきたが、痛いとは思わなかった。

 でも、なぜだろうか。

 ー すごく、胸が痛かった ー

 「そんなに好きなら、告白でもしたらいいのに」

 煽るように言ってみた。

 「え!?いやだって、それは、、、」

 好きだということに否定しないのかと思ってしまった。

 「だって、夏未は俺以外にも似合う人がいるだろうし、、、」

 円堂の話を聞いて、以外にもこういうことには弱いんだなぁと思った。

 そして、聞いているうちにどんどん胸がずきずきしてきた。

 「、、、お前なら、大丈夫だろ」

 「、、、え?」

 「いつものお前はどうしたんだ。何とかなるって、言えるだろ?」

 そう励ましているうちに、円堂はなにか決めたような顔をしていった。

 「、、、風丸、俺、やってみてもいいのかな」

 ー え? ー

 「、、、夏未に、さ、その、、、」

 ー いやだ、聞きたくない ー

 震える右手を押さえて、心にもないことを言ってしまった。






 「いいんじゃないか?お前なら、きっと大丈夫だよ」





 

 「、、、よし、じゃあ今日、伝えてみる!」

 「え?今日?まだなんも決めたりしてないだろ?」

 「いやでも、決めたって言った日じゃないと、なんか、、、」

 そう言って、どんどん進めていく円堂の話が、耳に入らなかった。

 「じゃあ、行ってくる!」

 「今かよ!この後の練習どうするんだよ!」

 「えっと、、、風丸あと頼んだ!」

 丸投げかよ、と思いながら、親友の背中を見つめた。

 「円堂!」

 大声で、その名前を呼んだ。

 「、、、がんばれよ!」

 そういうと、あいつは嬉しそうに笑っていた。

 まるで、応援されるのが、背中を押してくれたのが、うれしかったみたいに。

 その顔が、とても、むなしかった。
 「円堂、今日の練習だが、、、」

 少し遅れて、鬼道が来た。

 「ん?風丸だけか?」

 鬼道が、俺に声をかけてきた。

 「風丸、円堂がどこに行ったか知らないか、、、」

 そう言われて、俺は振り返った。

 「っ!風丸、どうしたんだ!?」

 振り向いた瞬間、鬼道が驚いた。

 「、、、鬼道、俺、おれ、、、」

 俺は、ありえないくらい泣いていた。

 「どうしたんだ!?どこか悪いのか!?」

 心配する声も無視するように、鬼道に抱き着いてしまった。

 今は、誰でもいいから、ぬくもりを感じたかったからだ。

 「俺、おれ、、、うぅ、、、」

 こんなことで泣いているなんて、かっこ悪いかもしれない。

 でも、本当は悔しかった。

 10年以上一緒にいた自分よりも、ほんのわずかしかいなかった彼女に取られたような気持ち。

 「、、、悔しいよ、、、!」

 きっと、円堂の告白は成功する。

 夏未も円堂のことが、好きだから。

 両想いで、親友の幸せは、うれしいはずなのに。

 「風丸、、、」

 鬼道は、俺のことを優しく抱きしめてくれた。
 あれから、10年がたった。

 俺たちも大人になって、一通の手紙が届いた。

 よく知っている名前の、結婚式の招待状だった。

 少し迷ったが、出席することにした。

 いざその日になって、久しぶりにみた親友は、とても幸せそうだった。

 「、、、円堂」

 そう呼ぶと、真っ先に走ってきた。

 「風丸!来てくれたのか!」

 驚きながらも、嬉しそうに話した。

 「まぁな、昔なじみの式に来ないやつとかいるのか?」

 「いやでも、お前試合とか大丈夫だったのか?」

 「今日くらいは大丈夫だよ」

 目の前にいる親友の姿は、あの時よりも成長して、立派になっていた。

 でもどこか、変わらないところもあった。

 「、、、円堂、おめでとう」

 俺は、笑って言った。

 「おう!ありがとうな!」

 円堂は、笑って返してくれた。

 すると円堂は、別の人に呼ばれて、行ってしまった。

 「、、、この年になって、失恋かぁ、、、」

 長く、引き伸ばしすぎたのかな。

 ただ、俺も成長したのか、少し気持ちが晴れたようだった。

 「やっと、あきらめきれたんだなぁ」

 




 ー やっと、素直に祝えた気がします。 ー

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