前の話
一覧へ
次の話

第1話

2,493
2022/05/18 11:14
朝、起きて。
ベッドを直して。
顔を洗って。
いつも通り。変わらないルーティーン
でも今日は、
「…ぁれ、なんか浮腫んでる、し、隈、?
ちゃんと昨日もケアしたのに…、」
この時点で、嗚呼 なんか今日駄目な日だなって勘づいて。
「……やべ、頭痛い、し、気分最悪、気持ち悪い、」
今日は雑誌の撮影があるだけだからすぐ帰れるし、大丈夫か、なんて思って。
SixTONESになって、打ち解けられてからは、不調なんか感じられない程メンバーに良くしてもらってて、久しぶりの感覚だった。
とりあえず、気持ち悪いのは忘れたいから1度軽く吐いて、熱っぽかったのもあり解熱剤を飲んで、マネージャーの車に乗り込んだ。







「…あれ?北斗くん、今日具合?調子?悪いですか?」
ビックリした。割と長くやってきたマネージャーとはいえ、バレるとは思っていなかったから。
「ま、まぁ、ちょっと…」
「どんな感じです?」
「んーと、浮腫んでるのと、隈があるのと、気持ち悪いのと、頭痛いのと、…あと熱がある、くらい?」
「やばいじゃないですか!
お仕事より先に病院行きます?」
「だ、だめ!!それはだめ。
ちゃんと解熱剤も飲んだし、隈はコンシーラーで隠せてるから大丈夫。
あと、メンバーにも言わないで?」
仕事を疎かにすることだけは嫌だった。
北斗は、誰かに迷惑をかけることを酷く嫌った。
自分は誰かの遅刻などで迷惑がかかるのはどうって事ないが、自分の所為で迷惑をかけることだけは酒たがった。
「はぁ…、いいですけど、撮影終わったらすぐ病院行きましょう?
今日はお仕事これだけなので、僕送りますよ。」
「ごめんねだぁくん。有難う。」
「マネージャーとして当たり前です!
着くまで少し寝ててください。」
「うん。御免ね。」
幸い、自分が最初だった為誰かに聞かれることは無かった。
これで誰かに聞かれていたら、北斗は泣いてしまっただろう。
体調管理も出来ずに迷惑をかけてごめんなさい、と、田中樹にブサイクと言われるその泣き顔で、土下座の格好で謝り続けるだろう。
今の北斗の精神状態は、それくらい不安定だった。






𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝

プリ小説オーディオドラマ