大事な依頼だったのに...
あんな所で失敗して...
なんでこんなに出来ないんだろう
少し俯きながら自分の入社祝いで貰った黒靴を眺めながら
何時もの道で社員寮に戻ろうとしていた
もう少し...上手く出来たのかな...?
そうだよ、他の人なら絶対上手くやってたのに、僕はやっぱり...
社員寮に繋がる道の最後の電柱を曲がろうとしていたら
飛び出して来た男にぶつかってしまった。
男は熱い中、熱中症になりそうな黒フードを着ていた。
僕が謝ろうとしたら男が何か小声でブツブツと爪を噛み締めながら言っている事に気が付いた。
男は少し俯いていていたのだがバッと効果音が付きそうな程に顔を上げると
先程まで聞こえなかった声が聞こえた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!