第39話

特別編 第五章 本殿 前編
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2021/06/05 04:28 更新
もう一つの写真を見た。
その写真は、兄妹三人で並んでいた。

その写真の裏には、
『きさらぎあかね』と書いてあった。
ころん
ころん
ママの小さい頃の写真……?
確証は持てないけど、
面影があるような気がする。
もう二人は、ママの姉弟なのか。
ころん
ころん
形代じゃなかったけど、すごいレア物を掘り当てた気がする
イミゴ
イミゴ
僕もびっくりした
こんなのが埋まってたなんて
ころん
ころん
このタイムカプセル
埋め直した方がいいかな?
イミゴ
イミゴ
……いいんじゃないかな、別に
イミゴがポツリと呟いた。
イミゴ
イミゴ
だって、もう三人で掘り起こすことは無いと思うから―――
そこまで言って、イミゴが頭を横に振った。
イミゴ
イミゴ
あっ、ごめんなさい。勝手に見つけた
僕達が決めつけることじゃないですね
ころん
ころん
そういえば、一番上のお姉さんは亡くなったって聞いた。P丸様……だっけ?
ころん
ころん
でも、何でイミゴが
そんなこと知ってるの?
イミゴ
イミゴ
あはは……村のことはころちゃんよりも詳しいから
それもそう、なのか?

再びタイムカプセルに視線を戻す。
探ってみたが、形代は無かった。
すると、イミゴが落ち着かない様子で
辺りを見渡している。
ころん
ころん
さっきからどうしたの?
イミゴ
イミゴ
なんだかタイムカプセルを開けた時から嫌な予感がして
ころん
ころん
ふーん?
別に嫌な予感なんて感じないけど。
ころん
ころん
まぁ、タイムカプセルのことは後から考えるとして、形代を探そう
イミゴ
イミゴ
うん……
ころん
ころん
あのさ、嫌な気配って何?
イミゴ
イミゴ
言葉には出来ないけど、なんだか空気が揺れたというか、いつもとは違う感じがしたんです
そう言われても分からん。
イミゴ
イミゴ
早く形代を探そう
ころん
ころん
でも、勝手に開けて悪いことしたなぁ
タイムカプセルに視線を向けた。
イミゴ
イミゴ
ころちゃんのお母さんなら
許してくれますよ
ころん
ころん
えっ、なんか知ってるの?
イミゴ
イミゴ
あっ……ころちゃんのお母さんだし
僕は首を傾げた。
賽銭箱のところに行くと、さとみさんが居た。
ころん
ころん
神社がおかしくなるのはよくあることなんですか?
さとみ
さとみ
いや、本来は絶対に有り得ねぇことだ
ころん
ころん
原因は?
さとみ
さとみ
あぁ……ころんには教えられねぇ
ころん
ころん
どうして?
さとみ
さとみ
なぜだと思う?
ころん
ころん
質問を質問で返さないで下さい
さとみ
さとみ
ふっ、悪かった。そうだな
一つだけ知りたいことを
知る方法がある
ころん
ころん
何ですか?
さとみ
さとみ
この神社から帰らない
という選択をとること
イミゴ
イミゴ
さとみくん!!
さとみ
さとみ
イミゴは反対みてぇだ
さとみ
さとみ
だから、この選択はやめとけよ
ホントに意味深過ぎる……。
僕は手水舎に行き、アイツらに聞いた。
ころん
ころん
お前らが僕を誘ったみたいに
他所の人を誘うの?
ジェル
ジェル
そんなんせぇへんで
莉犬
莉犬
出来たら面白いけど
ころん
ころん
僕が閉じ込められた理由は分かる?
ジェル
ジェル
今日は特別やから?
ころん
ころん
特別ってのは、お彼岸?
莉犬
莉犬
そうだよ!お彼岸はこっちとあっちが近くなるんだよ!
ころん
ころん
お彼岸の度に人が閉じ込められるの?
莉犬
莉犬
そんなことはないよ
ジェル
ジェル
出来たら面白いけど
ころん
ころん
ふーん……
二人が嘘をついてるようには見えなかった。
イミゴ
イミゴ
『うん、迷い込んだ人を帰すための道具をそこに準備してるんです。ついてきて下さい』
イミゴ
イミゴ
『……こうなる予感はしてたのに』
イミゴは誰かが迷い込むのをわかっていたような事を口にしていた。
一体どういうことだろうか。
ころん
ころん
僕が特例ってこと……?
イミゴ
イミゴ
違いますよ
先程まで静かに聞いていたイミゴが口を挟む。
イミゴ
イミゴ
ころちゃんは特例じゃないです
ただ巻き込まれただけ
ころん
ころん
ホントに?
イミゴ
イミゴ
それ以外に何があるんですか?
ころん
ころん
僕は如月家と関係がある
イミゴ
イミゴ
ころちゃんは如月家の子供じゃない。ころちゃんの居場所は苺村じゃないんです。大切な人のところに戻るんだよ
莉犬
莉犬
ケンカ……?
ジェル
ジェル
複雑やな、
イミゴ兄ちゃんところん兄ちゃん

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