絵馬掛け所に行った。
この僕みたいな人とイミゴみたいな人が
笑顔で写っている写真の背景を見た。
おみくじの紙をこの写真と同じ位置にした。
すると、一個だけ落ちてきた。
それを拾って、見た。
長と短という文字がやたらと目立つ。
本坪鈴の長さが違うことに気づいて、
順番に鳴らした。
すると、形代が落ちてきた。
ようやく帰れるぞ。イミゴもきっと喜ぶはずだ。
振り返ると誰も居ない。
イミゴはずっと一緒にいたはずだ。
何も言わずに消えることなんてない。
呼んでみる。しかし、返事は無い。
形代に目を通す。
そこには『遠井るぅと』と書かれていた。
遠井は僕と同じ名前だが、
るぅとは知らない名前だ。
しかし、引っかかる。
どこかで聞いたような、そんな気がしてならない。
後ろを振り返ると、黄色の髪の子が参拝していた。
僕のためとはどういうことだ?
それとも、たまたま似ていただけなのか?
声を上げてもこっちを見ない。
僕は見えていないようだ。
純一伯父さんと、ママまでいる。
あとは知らない夫婦……。
どういうことだろう。
黄色い髪の少年はママに飛び付いた。
僕みたいな少年は、どこかへ歩いて行く。
僕はその少年について行った。
咄嗟にそう言ったが、彼は本殿を覗いてしまった。
そして、彼らは姿を消した。
僕はゆっくりと歩き、本殿の前に立った。



















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!