ベイリーside―――
あなたを保護して既に1ヶ月―――
あれ以来あなたは『花』を出していない。
安心している証拠なのか?
でもまだ全員に慣れているわけじゃねぇ。
俺が話しかけてもまだビクビクしてる。
俺との話が終わるとあなたはすぐに
グスクの背中に隠れる。
小動物みてぇだな。
なんて。
今日のあなたの見守り役は俺だ。
最近は怪盗団の奴らの追跡と街の見回り。
それに追加してあなたの見守り。
ただでさえ人数少ねぇのに。
俺は知らず知らずにため息をついていたらしい。
あなたが不安そうに俺を見ている。
まだビクビクしてるが、最初の頃よりは
全然落ち着いてる。
俺もこっちの世界に出てきた時こんな感じ
だったなと昔の自分を思い出した。
気づいたら俺はあなたの頭に
手を置いていた。
あなたはそのまま目を瞑り、頭を俺の手に
ぐいっと押し付けてきた。
撫でろってことか。そんなあなたに
俺はふはっと笑ってしまった。
俺が頭を撫でていると、あなたは眠っていた。
あなたに毛布をかけると、あなたは寝言で
『お母さん』と呟いていた。
俺も母親はいない。親父は人じゃなくてライオン。
環境は違えど、俺もあなたとは似たような人生。
何度か俺はあなたの頭を撫で、部屋を出た。
1階に降りると、グスクが見回りから
帰ってきてた。
そんな調子で闘技場に向かった。
あなたから目を離した俺が馬鹿だった。
俺とグスクが合わせを終え、
事務室に戻ると、リュカが慌てた様子で
あなたの名前を呼んでいた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。