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第4話

Episode4
323
2024/03/03 11:00 更新


ベイリーside―――



あなたを保護して既に1ヶ月―――

あれ以来あなたは『花』を出していない。
安心している証拠なのか?
でもまだ全員に慣れているわけじゃねぇ。
俺が話しかけてもまだビクビクしてる。
俺との話が終わるとあなたはすぐに
グスクの背中に隠れる。
小動物みてぇだな。
なんて。


今日のあなたの見守り役は俺だ。
最近は怪盗団の奴らの追跡と街の見回り。
それに追加してあなたの見守り。
ただでさえ人数少ねぇのに。

俺は知らず知らずにため息をついていたらしい。
あなたが不安そうに俺を見ている。

あなた
あの…
ベイリー≠RIKU
おう、なんだ?
あなた
すみません…皆さん忙しいのに…
私なんかに…

まだビクビクしてるが、最初の頃よりは
全然落ち着いてる。
俺もこっちの世界に出てきた時こんな感じ
だったなと昔の自分を思い出した。

気づいたら俺はあなたの頭に
手を置いていた。

あなた
え…
ベイリー≠RIKU
……あっ!す、すまねぇ…
あなた
いえ…大丈夫です…

あなたはそのまま目を瞑り、頭を俺の手に
ぐいっと押し付けてきた。
撫でろってことか。そんなあなたに
俺はふはっと笑ってしまった。

ベイリー≠RIKU
大人のことなんか気にすんじゃねぇ。
今はゆっくり休んでろ。

俺が頭を撫でていると、あなたは眠っていた。
あなたに毛布をかけると、あなたは寝言で
『お母さん』と呟いていた。
俺も母親はいない。親父は人じゃなくてライオン。
環境は違えど、俺もあなたとは似たような人生。
何度か俺はあなたの頭を撫で、部屋を出た。



1階に降りると、グスクが見回りから
帰ってきてた。

ベイリー≠RIKU
ようグスク。
グスク≠与那嶺瑠唯
あ、ベイリー。お疲れ様。
あなたはどうだった?
グスク≠与那嶺瑠唯
あぁ。寝てるぜ。
…なぁ…グスク。俺、初めて小さい子の
頭を撫でたんだ。
グスク≠与那嶺瑠唯
うん。どうだった?
ベイリー≠RIKU
俺の手の平にすっぽりと収まってた。
……世の中にゃあなたみてぇな子供が
まだたくさんいるって考えたんだ。
…もっと強くなんねぇとな。
グスク≠与那嶺瑠唯
…そうだね。
さっ!久々に合わせでもするかい?
ベイリー≠RIKU
おっ!いいな!
ぜってぇ勝ってやる!
グスク≠与那嶺瑠唯
ベイリーの本気の蹴りは痛いんだよなぁ
ベイリー≠RIKU
グスクのプロテクトも
硬すぎて腹立つけどな!


そんな調子で闘技場に向かった。



あなたから目を離した俺が馬鹿だった。




俺とグスクが合わせを終え、
事務室に戻ると、リュカが慌てた様子で
あなたの名前を呼んでいた。

ベイリー≠RIKU
おうリュカ。どうしたんだ?
リュカ≠吉野北人
ベイリーさん!大変です!
あなたが居ません!!
ベイリー≠RIKU
…嘘だろ…!?

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