クロスside
インクさんにテレポートさせてもらったは良いのだが...
俺達の来たところは住宅街らしい。
真っ暗だが、ポツポツと街頭がある。
穴の底が真っ暗だったのが納得できる気がした。
昔、Playerと色々揉め事があったのを思い出したのか、ギリッ、と歯ぎしりをするマーダー先輩。
だけれども、未来さんを憎むことはできないのか、すぐに肩の力を抜く。
ホラー先輩が、誰しもが思っているであろう疑問を口にする。
しかし、誰も何も分からないから答えない。
その時、ナイトメア先輩が顔を目の前の家に向けた。
何だろう、と思って視線の先を見ると。
家を睨みつけて先輩が言う。
その言葉に、全員がナイトメア先輩に注目した。
エラー先輩は「似たような」の部分を強調して言った。
俺の記憶の中ではそんな事を言っていたのは...ないはずだ。
きっとマーダー先輩、後はごく少人数に言ったんだろう。
...まぁ、俺があんまり覚えてないからかもしれないが。
睨みつけ、少し強めに言うと2人は驚いて俺を見る。
落ち着いた先輩達に「いいですよ」と返す。
インクさんは俺達のことを見て言う。
...「どうする」か、なんて。
行ってきて、と少し笑って最後に言った。
まるで、俺達が必ず解決できる、なんて自信があるかのように。
...その時だった。
痛い!やだ!お父さん!
うるせェ!黙ってろ!
ホラー先輩がそれだけ言って、瞬間移動をした。
目的地は、声のする方...家の中へ。
俺達もそれを合図としたように、追って瞬間移動をした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!