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第1話

プロローグ
13
2026/05/10 08:35 更新

> 私は、日陰の人間だ。


> もし生まれ変われるなら、亀とか、うさぎとか、何なら道端の雑草がよかった。


> 「もっと声を出しなさい」
> 「みんなと仲良くしなさい」

> 中学の時、何度も言われた。

> 私だって、私なりに努力はしている。

> でも、私の声はいつも、教室の真ん中で笑う誰かの声にかき消されて、誰の耳にも届かない。

> 謝りたかったのに声が出なくて、ただ俯くことしかできなかったあの日の後悔が、今もずっと胸の奥にトゲみたいに刺さっている。


> だから、高校に入ってからは頑張ろうとした。


> 教室の隅っこ、光の当たらない日陰の席。


> ここに潜んで、空気みたいに生きていければ、もう傷つくこともない。


> ずっと、そのままでいいはずだった。


> ──あの、まぶしすぎる太陽みたいな先輩に、出会ってしまうまでは。
>

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