そ、そうなんだ……。
もしかしてその間ずっと、私のことを好きでいてくれた、とか…………?
…………うわああ自惚れはダメだ!
身の程を知れ、私!!!
するとすずがなにか思いいたったのか、鬼気迫る顔で私を呼んだ。
うわぁ。
た、確かにそうだ。
友達は男女問わずに多いし、人間関係は滞りなくやってる方だけど。
恋愛となったら、別。
今まで何人の男友達に、『お前は友達としてしか付き合えないよな』って言われたことか。
ひどい言われようだ。
だけど、顔に関しては素直にうなずける。
あんな身も心もイケメンな人、そうそういない。
しかもなぜかはわからないけど、私のことを好きだと言ってくれた。
この機会を逃したら、もしかして本当に私、一生彼氏出来ないんじゃ……
私は今朝の出来事を思い出して、ぐっと拳を握りしめた。
いずれにしても、今朝の断り方はさすがにあんまりだよなって思ってたんだ。
できることなら、謝りたい。
そしてお礼も言いたい。
私の前に膝をついて、真剣な眼差しで絆創膏を貼ってくれた人。
誠実そうな人だなぁって、思ったんだ。
痴漢にあんなに堂々と向かってくんだもん。
きっと、立派な人なんだろうな。
もっとちゃんと、話してみたいな。
…………よし。
私、頑張ります!
さっそく、2年の教室がある階への階段に向かう。
思いたったら即行動な私に慣れているふたりは、『がんばれー!』と手を振ってくれた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!