少し離れた向こうで手を振りながらこちらへ振り向く
妹の姿は少なくとも一日中兄を連れ回して
アトラクション全制覇からのジェットコースター無限地獄を味わった後のテンションではないように見えた。
こちとらおまわりやらせてもらってんのに
なぜかあいつの体力にはついていけへん…。
確かに妹の指さす向こうに見慣れた3人組が並んでいた。
…悠里くんの、なんやあれ。頭にカチューシャ3つ付けて
両手はパンパンの土産袋ぶら下げて…?
アユムちゃんは、先生の背中からゆっくり降りると、
南の方に駆け出した。
南もその行動を読み取ったのか、
チャイナドレスの裾が汚れてしまうのを気にしていないようにその地べたに膝をついて、
思いっきり両手を広げた。
ついにアユムちゃんが南の胸に飛び込むと、
南はアユムちゃんの細い腰に手を回して、
思いっきり抱擁した。
本当は明日の夜会う女にあげる用のやつやったけど、
まぁええか。そっちの方がお互いに穏便になる。
そんな雑談をしていると、女子たちがいつの間にかこちらの話を聞いていたようで、
わざとらしく耳を傾けたポーズで待ち構えていた
先生たちと合流すれば、来た道を少し戻って
屋内のアトラクションを探し始めた。
園内人は着々といなくなっているが、ガラんとすることは無かった。
しばらく歩いた所で、アユムちゃんが突然走り出した。
どうやら着ぐるみが無料で風船を配っている所を見たのだろう。
無邪気にその着ぐるみに駆け寄っていく背は
なんとも愛らしいようだ。
またもや走り去って行く妹の背中を見失わないように
俺たちはその道を進んでいく。
…心に少し残る不満。
ただの勘違いのはずだが、











![[ 大型参加型 ] # 天空の賽子に全てを任せ 。](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/OdQY9PRCapcR2Vu3TgUF1zkHQ8k1/cover/01KZ8EZKDN00GBAXG82H0MX4N7_resized_240x340.jpg)





編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。