第3話

第三節 そうしましょ
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2026/06/08 15:26 更新
橘南
橘南
お兄!お兄…!!アユムちゃんが居るアル!!


少し離れた向こうで手を振りながらこちらへ振り向く
妹の姿は少なくとも一日中兄を連れ回して

アトラクション全制覇せんはからのジェットコースター無限地獄を味わった後のテンションではないように見えた。


こちとらおまわりやらせてもらってんのに
なぜかあいつの体力にはついていけへん…。



橘海
橘海
ああ…はいはい。先生とこも来てたんか…
橘南
橘南
げっ、悠里も居るアル…
橘海
橘海
そりゃ居るやろ、先生とアユムちゃんの保護者なんやから…



確かに妹の指さす向こうに見慣れた3人組が並んでいた。

…悠里くんの、なんやあれ。頭にカチューシャ3つ付けて
両手はパンパンの土産袋ぶら下げて…?



アユムちゃんは、先生の背中からゆっくり降りると、
南の方に駆け出した。



南もその行動を読み取ったのか、
チャイナドレスの裾が汚れてしまうのを気にしていないようにその地べたに膝をついて、
思いっきり両手を広げた。




ついにアユムちゃんが南の胸に飛び込むと、
南はアユムちゃんの細い腰に手を回して、
思いっきり抱擁ほうようした。







寸半アユム
寸半アユム
南ちゃん!南ちゃん!!
橘南
橘南
アユムちゃぁーん!会いたかったアル!!
寸半アユム
寸半アユム
ねぇねぇ聞いて!今日ね!今日ね、!パパと悠里くんとね…!!
橘南
橘南
そうアルか!私も今日お兄と!
寸半アユム
寸半アユム
ぇぇぇー!南ちゃんとあいたかったよぉぉ
橘南
橘南
一緒にジェットスター三連発乗りたかったアルー!










寸半夏己
寸半夏己
お久しぶりです。海くん
藤田悠里
藤田悠里
久しぶりっす
橘海
橘海
よお2人とも、元気してたか?
寸半夏己
寸半夏己
えぇ、お陰様で。海くんたちも来てたんだね
藤田悠里
藤田悠里
あ、来るって知らなかったんで…海さんたちに渡す土産買っちゃったっす。
寸半夏己
寸半夏己
おや、どうしようか


橘海
橘海
……それなら、俺たちもちょうど土産買ってもうたから交換ってのはどうや?
寸半夏己
寸半夏己
ん、いいね。面白そうだ
橘海
橘海
じゃあ決まりやな。外出たら渡すって事で


本当は明日の夜会う女にあげる用のやつやったけど、
まぁええか。そっちの方がお互いに穏便おんびんになる。


そんな雑談をしていると、女子たちがいつの間にかこちらの話を聞いていたようで、
わざとらしく耳を傾けたポーズで待ち構えていた



橘海
橘海
…何してんねん南
橘南
橘南
お兄!せっかくアユムちゃんと会ったから最後に一回アトラクション乗りたいアル!!
橘海
橘海
は!?あかんあかん。先生には先生たちのスケジュールがあるんや。あんまり迷惑かけさせんなよ、それにもう時期、暗なるで?


橘南
橘南
えええー!アユムちゃんも乗りたいって言ってたアルー!!
寸半アユム
寸半アユム
ねぇパパァ!いいでしょぉー??
橘南
橘南
ねぇお兄!!お願いアルお願いアル!!
橘海
橘海
お前何歳やねん!…っはぁ、先生どうする?



寸半夏己
寸半夏己
僕たちは構いませんよ。屋内のアトラクションなら空の色も気にしなくて良いですし…
藤田悠里
藤田悠里
自分もいいっすよ。



橘海
橘海
ほんまか?…しゃあーないなぁ、


橘南
橘南
やったアルー!!
寸半アユム
寸半アユム
やったね!南ちゃん!!



橘海
橘海
…ほんまおおきにな。2人とも、うちの馬鹿妹の駄々だだにつきあってもろて、
寸半夏己
寸半夏己
いやいや、アユムも南さんに懐いてますし、逆にありがとうを言いたいぐらいですよ。




先生たちと合流すれば、来た道を少し戻って
屋内のアトラクションを探し始めた。
園内人は着々といなくなっているが、ガラんとすることは無かった。


しばらく歩いた所で、アユムちゃんが突然走り出した。
どうやら着ぐるみが無料で風船を配っている所を見たのだろう。

無邪気にその着ぐるみに駆け寄っていく背は
なんとも愛らしいようだ。











寸半アユム
寸半アユム
ねぇー!パパー!南ちゃぁーん!みんなー!
寸半アユム
寸半アユム
あっちに屋内のアトラクションあるってぇー!!



橘南
橘南
賛成!賛成!!大賛成アルー!!
橘南
橘南
今から行くアルー!!!!
寸半アユム
寸半アユム
わぁーい!!




またもや走り去って行く妹の背中を見失わないように
俺たちはその道を進んでいく。




…心に少し残る不満。



ただの勘違いのはずだが、
橘海
橘海
…あんなキャラいたっけな

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