第104話

103,コウモンからの脱出!
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2021/12/04 08:25
???
エマ────ッ!!
大王路エマ
大王路エマ
!?
声のした方を、条件反射で振り向く。

すると!
廊下の先に、何とジンペイがいた!
大王路エマ
大王路エマ
ジンペイさん!!
寺刃ジンペイ
寺刃ジンペイ
待ってろ!今からそっちに……あっ!!
あたたたたた~~
感極まった声を出しながら、潤んだ目でジンペイを見つめるエマだが、何と救世主である筈のジンペイは最悪のタイミングでつまずき、転んでしまった!

そしてゴロゴロと転がって、エマの前を通り過ぎていく。
大王路エマ
大王路エマ
ジンペイさーん!!
今度は、腕が反対側に傾く。
大王路エマ
大王路エマ
きゃ──っ!!
エマは窓の淵に何とかしがみつき耐えるが、ジンペイはなおもゴロゴロと転がっている。

だが何とかエマの膝に掴まり、そこからエマの手を両手でガシッと掴んだ。
寺刃ジンペイ
寺刃ジンペイ
オレが絶対助ける!
だから、しっかり掴まってろ~!!
玉田マタロウ
玉田マタロウ
いや、どう見てもキミが掴まってるよね!?
マタロウがモニター越しにツッコむ。
だが、この際そんな事どうだっていい。エマは勢いよく頷いた。
大王路エマ
大王路エマ
わ、分かりました!
窓の淵に掴まるエマ、そのエマの腕にぶら下がるジンペイ。

側から見れば限りなく危ない体制だ。
年上とは言え、女子に男子の全体重を預けるのは流石に無理があり……と、ついにエマの限界が来てしまった!
大王路エマ
大王路エマ
うーん……うーん……!
やっぱりダメーー!!
エマはとうとう手を離してしまい、2人は真っ逆さまに落ちていってしまった。

辿り着いたのは、何だかよく分からない場所である。
そうとしか言いようがないのだ、本当に。
寺刃ジンペイ
寺刃ジンペイ
イタタタタ……
無傷とは言えないけれど、2人──そしてウー助は無事だ。
姫舞(なまえ)
姫舞あなた
ジンペイ!そこから下の方、校門ブロックへ向かって!
イヤーチップからあなたの声が。
寺刃ジンペイ
寺刃ジンペイ
そうか、コウモンか!
ジンペイは、近くの通風口に視線を向けると、エマの肩をガシッと掴んだ。
寺刃ジンペイ
寺刃ジンペイ
エマ。
俺達はこれより、コウモンから脱出する
大王路エマ
大王路エマ
コウ……モン……!?
寺刃ジンペイ
寺刃ジンペイ
ああ、コウモンだ!
ジンペイはそうハッキリと言い切ってから、ウー助を頭に乗せてエマをお姫様抱っこすると……。

あのコウモンへと向かって、スタートダッシュを切った!!

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