第3話

3話
1,341
2025/08/15 01:30 更新
                          【イフリート視点】


この狂った世界で、人を信用するということは時に自分の命を左右する危険な行為だ



いついかなる時も相手を疑わなければ隙を突かれて殺される



そんな世界で



どんなに危険なことだとしても君は…


君だけは唯一信じたいと思えたんだ








初めこそ不安だった


あなた
イフリートくん



けれど君に名前を呼ばれるたびに


一緒に1日1日を過ごすたびに


そんな不安は少しずつ、消えていって





いつの間にか君がこの世界のなにより大切な存在になっていた




イフリート
ただいま…
あなた
おかえり
イフリート
!!
イフリート
なんであなたの偽名がここに
あなた
付き合って1年目の記念日だから料理作ってた!
イフリート
そっかもう1年も…
あなた
…ほら!座って座って!
あなた
温かいうちにたべよ
イフリート
うわっ!美味しそう!
イフリート
いただきまーす!









笑顔が可愛くて、優しくて


いつも詰めが甘くて、隙だらけ



そんな君が愛おしくて堪らなかった




だから勝手に…


君も僕を、僕と同じくらい愛してくれていると勘違いしてたんだ









勘違いに気づいたのは君の誕生日の日だった





君の誕生日だからと花束とケーキを持って帰っている時


小さな小道の方から声が聞こえて、横目で見てみると


君が男と話をしていた



カルエゴ
 任務中に声をかけるなと言ってるだろ
あなた
今日くらい許してよ
あなた
ほら誕生日だし!
イフリート
任務





その日1日


任務というたった2文字が頭から離れなくて



誕生日を祝った後、はしゃぎ疲れたように眠る君をベットに運び、僕は家を出た












いらっしゃい
久しぶりだね



君をまだ信じていたいから



だからこそ今日


イフリート
あなたの偽名について…知っていること全て僕に売ってくれ
毎度あり





全てを知りたいんだ








家に帰った頃には時計は3時をさしていた



君は今も気持ちよさそうに眠っている



イフリート
あなた…








ターゲットがいる部屋で眠るスパイだなんて


君は本当に詰めが甘い







あなた
撃てないでしょ
イフリート
撃てる


あなた
…私の事殺しちゃうの?
イフリート
…こうするしかないんだ






人の恋心をさんざん利用して…最低だよ君は





嫌いだ






僕を騙した君も






マフィアのくせに優しすぎる君も





イフリート
だから君には僕は撃てない
あなた
…撃てる
イフリート
いや…撃てないよ
イフリート
君は嘘をつくときは右下を見る癖がある





嘘がすぐにバレちゃう君も







考えていることがすぐに顔にでちゃう君も







嫌でも君のことが分かってしまう僕も






敵を前に撃つことを躊躇している僕も










銃を向けあっているのに



あんなに情報を集めたのに



君はもしかしたらスパイじゃないのかも知れないと思ってしまう僕も













スパイだと…君に騙されていたと分かっても尚



君のことを愛してしまう僕も全部





イフリート
……っ






大嫌いだ













プリ小説オーディオドラマ