【イフリート視点】
この狂った世界で、人を信用するということは時に自分の命を左右する危険な行為だ
いついかなる時も相手を疑わなければ隙を突かれて殺される
そんな世界で
どんなに危険なことだとしても君は…
君だけは唯一信じたいと思えたんだ
初めこそ不安だった
けれど君に名前を呼ばれるたびに
一緒に1日1日を過ごすたびに
そんな不安は少しずつ、消えていって
いつの間にか君がこの世界のなにより大切な存在になっていた
笑顔が可愛くて、優しくて
いつも詰めが甘くて、隙だらけ
そんな君が愛おしくて堪らなかった
だから勝手に…
君も僕を、僕と同じくらい愛してくれていると勘違いしてたんだ
勘違いに気づいたのは君の誕生日の日だった
君の誕生日だからと花束とケーキを持って帰っている時
小さな小道の方から声が聞こえて、横目で見てみると
君が男と話をしていた
その日1日
任務というたった2文字が頭から離れなくて
誕生日を祝った後、はしゃぎ疲れたように眠る君をベットに運び、僕は家を出た
君をまだ信じていたいから
だからこそ今日
全てを知りたいんだ
家に帰った頃には時計は3時をさしていた
君は今も気持ちよさそうに眠っている
ターゲットがいる部屋で眠るスパイだなんて
君は本当に詰めが甘い
人の恋心をさんざん利用して…最低だよ君は
嫌いだ
僕を騙した君も
マフィアのくせに優しすぎる君も
嘘がすぐにバレちゃう君も
考えていることがすぐに顔にでちゃう君も
嫌でも君のことが分かってしまう僕も
敵を前に撃つことを躊躇している僕も
銃を向けあっているのに
あんなに情報を集めたのに
君はもしかしたらスパイじゃないのかも知れないと思ってしまう僕も
スパイだと…君に騙されていたと分かっても尚
君のことを愛してしまう僕も全部
大嫌いだ











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!