次の授業に向かってハーマイオニー、ロン、ハリーの3人が前を歩き、私はその少し後ろを歩いていた。
なんか頭がぼーっとするなあ。さっきの授業のこと、考えすぎかな……
そんなことを思いながら気が抜けた歩き方をしていたそのとき___
突然、背後からドラコの声が響いた
びっくりしすぎて思わず声が裏返ってしまう
自分でも驚くくらい情けない声だった
ドラコは目を細め、嫌味ったらしい笑いを浮かべていた
そっぽを向いて言い返すと、ドラコはすかさず追い討ちをかけてきた
ドラコの後ろでクラッブとゴイルがクスクスと笑っているのが聞こえたが、無視無視……
まるで息をするように嫌味の言い合いが始まる
さっきまでぼーっとしてた気分が嘘のようにどこかに吹き飛んだ気がした
そこへ、我慢の限界に達したハーマイオニーが私たちの間に割って入った
ハーマイオニーの一声で、ここが廊下だという事を思い出した
すると、その言葉にドラコは引っかかったのか再び言い返してきた
また言い合いが再開しそうになったその瞬間__
ハーマイオニーが私の手をぎゅっと引っ張った
ハーマイオニーに手を引かれながら、ドラコにベッと舌を少し出して、ぷいっと前を向いた
しかし__
ドラコはわざとらしく大きな声でそう言った
きゅっと足が止まる
振り返るとドラコが小さな羊皮紙を指先でひらひらさせている
そこには私の名前がしっかりと刻まれていた
私はハーマイオニーの手を振りほどき、ドラコに向かって小走りした
羊皮紙に手を伸ばすと__
ドラコはフッと腕を上に上げて避けた
必死に背伸びして、ジャンプまでしてみる
けれど届かない……
私が運動が苦手なのを知っているドラコは、絶妙に手が届かない高さで羊皮紙をぶら下げてくる
ドラコはそんな私を見て、片方の口角を上げて嫌味ったらしく笑っていた
しばらくして、ドラコはようやく手を下ろし紙を渡してきた
私はそれを受け取りながら、
と言い残し、ハーマイオニー達を追いかけて走り去った
背後でドラコ達がクスクスと笑うのが聞こえた
心臓が妙にうるさい気がした
走ったし、ジャンプもしたもん……そう言い聞かせた
ドラコに「最低!」と言い放ち、ハーマイオニー達の元へ戻ると__
……何かが違う
廊下にいた生徒たちが、みんなしてニヤニヤと妙に暖かい表情でこちらを見ていた
その視線の意味がまったく分からず、思わず隣を歩くハーマイオニーに小声で尋ねた
ハーマイオニーは深いため息をついて言った
眉を寄せて首を傾げる私に、ハーマイオニーはさらに呆れ顔になっていた
そこへ、横で歩いていたハリーが静かに口を開く
ハリーは苦笑いしながら「いずれ分かるよ」と曖昧な返事をした
混乱したまま、4人で次の授業の教室へと向かう
周りにいる生徒たちは、まだくすくすと笑っていて、意味が分からず余計にムズムズする
独り言をボヤきながらも考えるが、さっぱり分からない
その答えはまだ、全然掴めそうになかった















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!