放課後。
教室に残っていたのは俺とDDのふたりだけだった。
終学活が終わると、生徒たちは次々に教室を出て行った。
笑い声、足音、机を引く音。
喧騒が遠ざかるにつれ、教室は静けさに包まれた。
窓際でうつむいていた俺は、意を決して口を開いた。
DDは、俺の方を見て、軽く首をかしげた。
その何でもない仕草に、胸がまた痛くなる。
こんな日常の一瞬一瞬が、全部、好きだったんだ。
それにやっと気づけたから、俺は今日、伝えなきゃいけない。
俺とDDの間に、何とも言えない静けさが流れる。
その沈黙に押しつぶされそうになりながら、俺は何とか笑った。
DDは何も言わず、じっと俺を見ていた。
やっぱり、引かれたかな。
気持ち悪いって思われたかな。
そう思ったその時、DDが口を開いた。
そう言い残して、DDは足早に教室を出ていった。
背中が遠ざかる。
教室に残された俺は、一人きりで深く息を吐いた。
不安が、押し寄せてくる。
戻ってきた時、DDは俺をどう見るんだろう。
それとも、戻ってこないんじゃないか。
そんな最悪の予感が、頭を支配し始めていた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。