ボールが落ちた瞬間、あなたちゃんの顔が一瞬歪んだ。
涙を堪えてたんやと思う。
試合終わって、みんなで廊下歩いてた時。
「北さん」
北「どうしたん?」
「……ありがとうございましたっ」
北「1人で全部やらせてごめんな。いつもありがとう。」
「いえ、」
北「でも、やっぱり悔しいなぁ」
「…っ」
北「どや、俺の仲間凄いやろってもっと皆に言いたかったわ」
「……北さん、」
治「言ってくださいよ」
侑「孫の代まで自慢できる後輩になりますから。」
北「それは楽しみやな」
「北さん、試合中何回か笑ってたよ」
北さんが階段降りたの確認して、あなたちゃんが言う。
侑「え」
「ベンチにいた時、見てたけど。」
治「まじ、か」
「うん。でも、ほんとに見ててワクワクする試合やった。」
力強く言うから、悔しくて堪えてた涙も、ポロポロ出てきた。
「また、来年もみんなでワクワクする試合して欲しい」
ふわっと笑ったその笑顔は、多分2年も1年も多分、忘れられへんと思う。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!