俺らの代になって、最初の練習で、キャプテンが俺で、副キャプテンが、サムになった。
そこそこの成績も残せたし、全国も行った。
そして、卒業式が近づいてきた。
角名「へえ、じゃあ、あなた、東京の大学なんだ?」
「うん、結の後押しもあってな〜」
そんな声が聞こえて、俺は高校卒業したら、すぐプロになる予定やし、関西から出る予定もない。
あの後、別に進展もあるわけもなく、俺の好きって気持ちだけが成長しとった。
銀島「ほんまに言わんの?」
侑「言わんよ。俺は、遠距離とか無理やし」
そうは言ったけど、やっぱりこの気持ちが薄れることなんてきっとないんやと思う。
多分ずっと好きで、ずっとあなたちゃんに恋しとると思う。
銀島「そんな好きなんやったら、言えばええのに」
侑「好きやから言えへんねん」
銀島「そおか、」
その後何にも言わん銀に、ちょっと安心した。
卒業式が来て、2人で写真撮ったけど、別に何も言わんと、何となく連絡も続いとる。
そして、数年経ったある日、サムが店を出したって言うことで、地元に残った銀と顔を出しに行った。
治「いらっしゃい」
とりあえず、注文して、2人で久しぶりに話す。
銀島「あ、人呼んでええ?」
治「おん、増える分は別にええよ」
侑「えー、知っとる人にしてやー」
銀島「知っとる人やないと呼ばんって」
しばらくして、ガラガラとドアが開き、振り返ると、大人になったあなたちゃんがおって。
銀島「あなた昨日帰ってきたらしいねん」
治「就職はこっちにしたんや?」
「うん、学ぶのに特化したのが、東京だっただけなの。就職は、地元で考えててん」
そう言って、俺の顔を覗き込んだ。
「久しぶり、侑くん」
侑「お、おん、久しぶり」
顔を見ると、ああ、あかん、好きがあるれる。
キモイかな、高校の入学式から、一目惚れして、ずっと今も好きとか。
グッと堪えた。
侑「大人っぽくなったな」
「ねー。」
侑くんは、何食べてるん?って聞かれて、トロのやつと言うと、私も食べたいって。
治「おん、ええよー。」
銀島「あなたは久しぶりなん?」
「一方的に、侑くんは見とったよ」
侑「え?」
「東京で試合ある時は見に行っててん。出る日をな、友達がMSBY追いかけてるから、付き添い…というか、侑くん見たくて」
ゴクリと喉がなって、ああ、これは掌で転がされてる?それとも、気があるん?
へーそうなんや、と2人が流しながらも、その会話はそこで終わった。
いや、なんで終われんねん!!??
終始気になってしゃーなかったわ!!!!
はあ!?侑くんが見たいからって!!??
ええ!!??なんや、すきなん!?
いや、好きやろ、絶対!!!!!
侑「…この後、飲み直ししやん?」
「…ええよ?」












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。