目を覚ますと真っ暗だった
重い扉を開くとそこには、小さい灰色の猫みたいなのが居た
取り敢えず壁に沿って歩いてるけど、怖いし長い
顔をしかめれば狭い範囲だけ見えるけど、それをずっとするのも疲れるし、点字ブロックって大事
壁を頼りに歩いていたら向かい側の人とぶつかってしまった、
点字ブロックがあればこんな事防げたのかな
何それ私分からないよ?
貴方の場所が分かったら苦労してないよ!!
取り敢えず、手伸ばしとくか
手を伸ばしたらね、ムニって感触がしたんだよね
と、丁寧な口調の人は手を繋ぎ案内してくれた
顔をしかめると同時に私は顔を近づけた
白い髪に前髪のうねり、薄いメガネと口元のホクロ この人は本のアズールにそっくりだった
一時期ガチ恋してたな〜
ボヤっとしか見えないけど赤い人?
ガチで??ツイなんちゃら来ちゃったの?!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!