荼毘はボソボソ呟くように話す
その腕からは灰色の煙が上がっている
こうする間にもマキアは弱っていく
地面には爆弾が設置されて
どんどん地面へとめりこんでいく
少し引いた目をしながら
少女はつぶやく
いつもと変わらない口調で話す。
それに焦っているのかスケプティックは声を出す
彼の視線の先には
ヒーローがいた
少女は
流石に言わなきゃマズイかと
おもむろに口を開く
トガは驚きを隠せないのか
声を漏らす
少女は続ける
先ほどの銃撃でキャパオーバーを感じた、と呟く
少女は哀しい笑顔を浮かべる
自分は役に立たないから、とおとなしくマキアの腕に捕まっている
少女は
足が地につく感覚を失った
周りを見ると
トガに抱き抱えられていることに気づく
虚な目で少女は答える
その顔は先ほどからどんどん元気がなくなっている
意味を理解してくれないのでトガは
そのままマキアの上を移動する。
入り組んだところに
荼毘とスケプティックが待っていた
スケプティックは忙しなくパソコンで何か作業をしている
今作れる精一杯の笑顔を見せて
トガに訴える
トガはそれに
笑い返し
あなたを抱っこする腕をあやすように上に上げる
少女は
静かに微笑んだ
それを見、
トガはあなたを荼毘の隣に座らせた
あなたの隣にいる彼は
エンデヴァーという単語に過剰に反応する
作業で手いっぱいな状況に加え
その発言に
思わずスケプティックは聞き返す
荼毘は狂気を孕んだ瞳孔を開き
無理やりに見えるほど口角を上げる
ぽつり、ぽつりと吐き出すように
話す
それを見て少女は思う。
隠しているにしろ
妖怪…人間ではない異質な存在である自分をなぜヴィラン連合は受け入れてくれたのか
ヒーローは何故人を呪い殺すヴィランを擁護し
自分のことは迫害するのか
なぜ人の恐怖から生まれてきた筈の自分が
人間を憎み、恐れているのか
全てわからない。
少女は心に大きなわだかまりを抱える













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。