第6話

6話
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2023/11/23 00:33
一方、咎人は。

「ちょっとガっくん!何この刀!!!斬れすぎて気持ち悪い!!!自分まで斬りそうで怖いんだけど!!!」
「仕方ないでしょぉw?!だってそれしか無いんですもん!!!」
「いやなんで逆に神器があるんだよ!!!」
「2人とも頑張れー!むぎが応援してるよー!」
「先輩ビビってるんですかぁー?ダッサw」
「おい夕陽ぃ!!お前ちまちま撃ってるだけだろ!!」

家長、夕陽が合流し、ハッピートリガーが集結して魔や吸血鬼を倒していた。

「ってかこのさっき動画にも載ってた黒いモヤって悪霊じゃん!!誰も言わなかったけどあれ見えてなかっただけでしょ絶対!!!!」
「いや見えてるけど分かんない人もいるッスよ」

剣持は竹刀しか持っていなかったため、伏見ガクが所持していた神器の刀を使って倒していた。(伏見本人は何かしら神通力のような力で周りの敵を殺していた。) 夕陽は家長を守りつつ、先程VΔLZから送られてきた拳銃を使ってちまちまと殺していた。 家長は3人とは違って戦闘経験が無いため、銃を使っても連携を崩すだけだと考え、何もせず、ただ応援をしていた。

「ってかなんで僕達は事務所に向かわないんですか!!」

剣持が目の前の吸血鬼を切り倒しながら言った。

「ここにこいつらの発生源があるからッスよ!彼
処、見るからに怪しい球が浮いてるじゃないですか。あれがここら付近の魔と悪霊の発生源ッス。吸血鬼ぃー、は多分別ッスけど。」
「はぁぁあ?!?!何それ、っ!」

文句を言いつつ、剣持の剣筋は美しく、内心夕陽は驚いていた。 流石剣道部だ、と思っていたが、実際、剣道部だとしても実戦初めてで、かつ真剣を使ったこともない物がここまで動けるのにはちゃんと訳があった。

伏見ガクの存在だ。

伏見ガクが渡した神器は万物を斬ることが出来る。

「イーーーヒヒヒヒw!!!ちょ、とやさん見てくださいよぉ!!」
「何?!忙しいんだけd、まって何そいつ気持ち悪い!!!!」

伏見は黒いモヤを纏った平安時代のような十二単を来た女性を捕まえていた。
ただし、その女性の顔には能面が付けられており、割れた部分から見える素顔は醜く歪んでいた。

「あの球、ってか核を守ってた奴っス。なんで、コイツをこぉして、」

伏見が指を女性に沿わすと、黒いモヤとなり、渦巻き、洗濯機のように回旋したかと思うと、球体となって手の中に収まった。

其れをどうするんだ、と剣持が不審な目で見ていると、伏見はさも当然、と言うような顔で其れを飲み込んだ。

「・・・いや呪術廻戦!!!」
「うぇー、まっず」
「い、いやいやいや・・・・えっ??」
「うわぁ・・・流石に・・・」
「ガっくんぺっしなぺっ!!」

伏見が其れを飲み込み、そのまま持っていた小刀を投げて、核を壊すと、ガラスが割れるような音と同時に周りにいた魔と幽霊は一気に消えた。

「ほら後は吸血鬼だけッスよー。」
「あっっぶな!」

伏見の声で我に返った剣持は後ろからの攻撃を辛うじて避け、右脚を軸にして回転し、そのままの勢いを活かして吸血鬼を切り倒した。

本来、吸血鬼は心臓を潰し、首を落とすか、白銀の銃弾で頭を撃ち抜くしかなかった。が、剣持が持つ刀は万物を斬ることが出来る神器であり、魂ごと斬ることが可能であったため、心臓を潰さなくとも致命傷を与えることが出来たら吸血鬼を殺すことが可能だった。

「ぼちぼちOK、かなぁ」
「ですね。 核?を壊したって事は街中にはもう魔と悪霊は居ないってこと?」
「いや、ここの周辺が居なくなっただけなんで。 別のところにまだ核がありますから街中はまだまだうじゃうじゃいますよ。」
「最悪じゃねぇか・・・取り敢えずその情報を伝えておきますね」
「よろしくお願いします。じゃあ、僕達もそろそろ事務所に行きましょう。少し切っちゃいましたし。 向こうに着いたら治療できる人も居るでしょ。にじさんじだし」
「説得力あるなぁ」

ショッピングモールを出て、事務所に向かう途中で吸血鬼を倒しながら進む。

「っ吸血鬼なんか多くない?!」

剣持が刀を振りながら言う。

「確かに、中より断然多いですね。そろそろ減ってもいいと思うんですけど」

夕陽が銃で吸血鬼を撃ちながら言う。

夕陽や伏見は戦闘経験がある。

それに対して、剣持は戦闘経験がない。 いくら運動部だとしても、体力に限界は来る。

「いっ、たいなぁ!!」

気が緩んだ隙に腕から腹部にかけてを爪で抉られた。 咄嗟に夕陽が吸血鬼を撃ってカバーをしたが、負傷によって剣持の動きが一段と下がる。

「とやさん!」

伏見が剣持に近付いて、血の匂いに反応して寄ってくる吸血鬼を殺していく。

吸血鬼は人間の血液の匂いにとても敏感だ。

飢えているのなら尚更。

「っ、増えたな・・・先輩動けます?」
「、怪我した所、から血が止まんないんですけど」

忌々しげに呟く剣持の顔色が失血によってどんどん青白くなっていく。 実際、切れたところには太い血管があって、ボタボタと足元に血溜まりができている。

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