次の日。
朝から私は、昨日の帰り道のことばかり考えていた。
ーー優しくて、よく笑う人
ーー一緒にいると落ち着く人
気になって仕方がない
教室にはいると、朝光くんは、もう席に座っていた
目が合う。
なんだか、昨日から朝光くんの顔をまともに見られない
すると突然
それだけ言って、朝光くんは前を向いた。
何だったんだろう
そう思っていると、後ろからジフンくんがやってきた。
なぜかジフンくんは楽しそうだった
そして放課後
ヒョンソクくん。
ヨシくん。
ジュンギュくん。
そして、
ジフンくんはちらっと朝光くんを見る
全員、急に帰ってしまった。
教室にのこったのは私と朝光くんだけ
思わず呟く
朝光くんも同じように困った顔をしていた
2人で顔を見合わせる
思わず笑ってしまった。
静かな教室
窓から入ってくる夕方の光
いつもより、時間がゆっくり流れている気がした
朝光くんが聞いてくる
そのとき
机の上に置いていたプリントが、窓から入ってきた風で床に落ちた
私が拾おうとすると、朝光くんも同時に手を伸ばす
一瞬、目が合った
二人とも、なぜか笑ってしまう
私が言うと
朝光くんが少しだけ目をそらした
心臓が大きく跳ねた
それ以上、何も言えなくなる
すると朝光くんが、拾ったプリントを私に渡した。
受け取った瞬間
その言葉を聞いて、胸がぎゅっとなる
朝光くんが少し迷うように黙ってから、
少し残念だった
でも、朝光くんは笑っていた
顔が熱くなる
それ以上、何も聞けなかった
その日の帰り。
教室の外ではーー
ジフンくんが小声で聞く
朝光くんが答える
ジュンギュくんが笑う
ヒョンソクくんが朝光くんの肩を軽く叩いた
朝光くんは少しだけ笑った
その言葉を、私は知らない


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!