第8話

ヒーローは必ず来る?*°
325
2022/03/10 12:07
虎春
ん〜っ!美味しい…!!
お昼休憩の時間、貰ったケーキを食べた虎春が声を漏らした。
虎春
流石有名菓子店のケーキ…!!ふわふわなのにしっとりして美味しいです…!!
虎春
つぐみさん、本当にありがとうございます!
どういたしましてっ。つぐみもこんなに沢山食べられないから、分けることできて良かったっ
虎春
えへへ、午後のオリエンテーションも頑張れそうです!

もぐもぐと食べる姿が可愛らしい。


ぽんぽんと優しく頭を撫でると、にこりと笑ってくれた。



(沙鶯にも後であげようっ)



料理の参考になるかも、なんて考えていると自然に沙鶯の喜ぶ顔が浮かんでくる。


今日は沙鶯がお泊まりに来る日。


新しい友達もできたし、帰れば沙鶯と一緒に過ごすことができる。今日は幸せな一日だ。



(早く会いたいなぁ)



そう思えば思うほど、沙鶯に会いたくなる__

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▽▽

虎春
今日はありがとうございました!
いえいえっ、これから大学で会えるの、楽しみにしてるねっ
虎春
はいっ!それでは!

一礼し、小走りでオリエンテーションへ向かう虎春。


お昼の間だったけど、出会えた友達。



(小さくて可愛かったな〜っ)



大きなスクエアリュックを背負い、堂々と歩いている。



(凄く凛としてる子だなぁ…)



つぐみも、昔から背が小さいのが嫌だった。


背が小さいから大きなリュックを背負うのが嫌で、大学に入ってからはショルダーバッグばかり。


けれど虎春は大きなリュックを背負っているのに、小さいなんて思わなかった。


胸を張って歩いている姿は素直にかっこいい、そう思った。


後ろ姿だって堂々としていて、しっかりしている。
…つぐみも、今度リュックで来てみようかな


(つぐみも虎春みたいに堂々と歩いてみたい…)



そう意気込み教室を出ようとした時だった。






__







「…鶇君、約束、破ったんだね」
っ!

突然の声に驚き振り向けば、今朝話した男子が1人いた。



「悲しいなぁ。他の人に俺のお返しあげるなんて」
えっと…ごめんなさい…オリエンテーションに来た子が…お昼を忘れてて…


「…ふぅん。鶇君には俺の気持ち、伝わってなかったんだ」



(見られてたんだ…っ)



全く気が付かなかった。


段々と近づいて来る同級生。何をされるか分からない状況に一歩下がれば、その都度近づいて来る。
あのっ…


「鶇君にはお仕置きが必要だな」
えっ?…っ!?やめて…!!

壁に追いやられ、服に手が入ってくる。


あまりの嫌悪感に押しのけるが、相手は興奮したまま。



「力もない癖に、抵抗するなよ」
やっ…めて…!

キスを迫って来る相手の口を抑える。



(沙鶯じゃないと嫌っ…!)



沙鶯に触られている時とは全く違う感覚に寒気までする。


つぐみの抵抗に構わず触り続ける相手は、行為を止めてくれない。


わざと手にキスまでしてきた。



「鶇君…好きだよ」



(〜っ…沙鶯に助けを…っ)



お互いの気持ちを伝えるって決めたから。


昔みたいに、自分の気持ちを我慢するだけじゃ伝わらないことだってある…!!
っ…!!

ポケットからスマホを取り、沙鶯の連絡先を探す。



「…助けでも求めてるの?無駄なのにね」

ぁっ…!

沙鶯の電話のコールボタンを押した時、スマホを床に投げられた。


しかしコールは続いている。



「はぁっ…この白い肌に俺の痕、付けたかったんだ…」

〜っ…やだ…っ…!

ジュッと音を立て、首筋を吸われる。



(もっと周りを見ておけば良かった…っ)



なんでつぐみは失敗ばかりなのだろう。


我慢し続けて失敗して、今日は注意不足で失敗。



(どうしてつぐみはいつも…)




__

沙鶯
…もしもし、つぐ?
っ…!!


(さ…おう…)



スマホから聞こえる声に、涙が溢れ出す。



「…電話したの?…何やってんだよ…!」

やっ…!やめてっ!
沙鶯
っ!?つぐ、どうした!?
沙鶯、助けて…!!


「誰に連絡してんだよ…!!」
っ…栄養科の棟に…いるから…!

「うるせぇな…っ!」



スマホを蹴飛ばし、声が聞こえなくなる。



「いっつも男受けしそうな服着てさ…誘ってるようにしか見えないんだけど」
っ!違うっ…この服は…!


「いや、言い訳すんなよ」



首元のリボンを解かれ、ボタンを無理矢理取られていく。



「…はは、凄い胸綺麗だ」
ぅ…っ


(これ、沙鶯が選んでくれた服なのにっ…)



胸元にリボンが付いたクリーム色のシャツ。


似合うよって買ってくれた大切な服なのに。


なんでこんなこと…!!
…嫌い

「え?」
っ…貴方なんて大嫌い!!
この服は、沙鶯が、恋人が買ってくれた大切な服だったのに…!!
もしつぐみに恋人がいなくても、貴方なんて絶対に好きにならない!!

堪らず感情的に叫んでしまった。



「なっ…!!ふざけんなよ…!!」
っ…!!

ドサッ__


床に押し倒され、相手が覆い被さってくる。



「あーあ、可哀想に。今から大嫌いな俺に犯されるなんてね?」
離して!


(もう…いや…!!)



目を瞑り身構えた時…



沙鶯
…俺の恋人に触ってんじゃねぇよ
っ…!!


4年前、つぐみの人生を変えてくれた大切な人。


そんな彼の、愛しい声が聞こえた__












モブ書くのって難しいですね〜!!


先週は別垢のマイ武を書いていました。興味のある方は煎茶。と調べてみて下さい。


次回はお口直しのいちゃこら甘々なさおつぐにします〜!!


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次回もお越しください〜!!

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