靴が全て濡れてしまって、諦めて時々水たまりをパチャ、と踏みながら歩いてると、隣を歩くショッピ君が離す。
バシャンッ!
道路側に大きな水たまりがあったようで、車が走って水が私にかかって、吃驚して傘から手を離し、足がもつれこけてしまう。
ショッピ君の反応を疑問に思いつつ足を動かして、さぁっと顔を青くした。
私の下半身は、車のライトを浴びて7色に光る鱗を持った、美しい尾びれになっていた。
横を通る車に乗る人達が珍しそうな目で見てるのに気づいたショッピ君は、自身のブレザーを私の下半身にかけてしゃがんで傘をかけてくれた。
初めて家族以外に見せた為、どんな反応をされるかもわからなくて、近づいてきたショッピ君の手にビクッと怯えてしまう。
それを見たショッピ君は、私に自身の傘を持たせると、私の傘を持ってきて畳んで仕舞う。
私のバッグをお腹に抱えさせて、ブレザーで下半身を隠させるといわゆる”お姫様だっこ”をされて驚いた。
人肌の温かい腕が、冷たい人魚の尾びれに当たってショッピ君が申し訳なさそうな顔をしていた。
相当焦ってるのか、若干敬語になってるショッピ君を見てるとなぜか少し面白くなった。
そう言って落ち着いてきたところで、そういえばバッグ持ってるのによくスタスタ歩けるなあと感心してしまった。しかも頭が辛くない様にしてくれるし。私ショッピ君の傘さしてあげてるだけじゃん。
そう話しているうちに、家に着いた。ショッピ君がそのまま脱衣所まで連れて行ってくれて、タオルを取って拭いてる間、ショッピ君にもタオルを渡して髪とか拭いてもらってた。
普段はこっちを見て私の反応を楽しんでるくせに、と思っていたが、人魚が珍しいからかな?と思って、立てなくて尻尾を当てる。
そう言うと、気まずそうにしていたショッピ君がしゃがんで触る。手は濡れたせいか冷えていて、尻尾と同じぐらいの体温になっていた。
少し質問攻めに合い、色んな事が気になるんだなあと思いながら話す。
ショッピ君からの突然の発言に、思わず首を傾げる。
それから、ショッピ君はそのまま帰って、私も衣服だけ取りに行ってお風呂に入りその日は終わった。






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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。