第3話

帰宅
1,423
2022/11/24 05:14 更新
 靴が全て濡れてしまって、諦めて時々水たまりをパチャ、と踏みながら歩いてると、隣を歩くショッピ君が離す。
syp
靴濡れたからって諦めて俺まで巻き込もうとしないでくれん?
あなた
ww、ごめんw

バシャンッ!
 道路側に大きな水たまりがあったようで、車が走って水が私にかかって、吃驚して傘から手を離し、足がもつれこけてしまう。
あなた
っわ!? う、いったぁ…
syp
え、だいじょう…ぶ…
あなた
? …あ…
 ショッピ君の反応を疑問に思いつつ足を動かして、さぁっと顔を青くした。

 私の下半身は、車のライトを浴びて7色に光る鱗を持った、美しい尾びれになっていた。
あなた
(や、やばい。どうしよう??)
syp
! あ、っだ、大丈夫、ですか…??
 横を通る車に乗る人達が珍しそうな目で見てるのに気づいたショッピ君は、自身のブレザーを私の下半身にかけてしゃがんで傘をかけてくれた。
あなた
っ! っご、ごめっ…お、驚いた、よね…その、乾いたらすぐ戻るから…。
 初めて家族以外に見せた為、どんな反応をされるかもわからなくて、近づいてきたショッピ君の手にビクッと怯えてしまう。

 それを見たショッピ君は、私に自身の傘を持たせると、私の傘を持ってきて畳んで仕舞う。
syp
あー、立てないよな。俺が家まで送りますよ。
あなた
えっ? いや、え、えっ?!!? うわっ!
 私のバッグをお腹に抱えさせて、ブレザーで下半身を隠させるといわゆる”お姫様だっこ”をされて驚いた。
 人肌の温かい腕が、冷たい人魚の尾びれに当たってショッピ君が申し訳なさそうな顔をしていた。
syp
これなら、多少ばれにくいと思うんで…その、足…大丈夫ですか?
あなた
あっ、う、うんっ。でもお、重いでしょ、
syp
大丈夫っす
 相当焦ってるのか、若干敬語になってるショッピ君を見てるとなぜか少し面白くなった。
あなた
ふふw
syp
何笑ってるん…
あなた
いや、焦ってるの面白いなってw
syp
はぁ…で? 俺いつも別れるとこまでしかわからんから、道案内してくれん?
あなた
あ、わかった。あっち…
 そう言って落ち着いてきたところで、そういえばバッグ持ってるのによくスタスタ歩けるなあと感心してしまった。しかも頭が辛くない様にしてくれるし。私ショッピ君の傘さしてあげてるだけじゃん。
あなた
運んでもらったり…その、色々ごめん
syp
いや…えっと、驚いたけど…薄々感じてたんで
あなた
えっ? そ、そうなの…?
syp
雨の日とかタイツ履いてるし…靴も一応防水やん。
それにあんま人と関わろうとしないし、水泳はずっと休んでたらしいし。
あなた
それだけで…?
syp
いや、だったらいいなぁ程度だけど…
 そう話しているうちに、家に着いた。ショッピ君がそのまま脱衣所まで連れて行ってくれて、タオルを取って拭いてる間、ショッピ君にもタオルを渡して髪とか拭いてもらってた。
syp
あの、親は…
あなた
? 夜遅くまで仕事って言ったじゃん。ってか何で反対向いてるの?
 普段はこっちを見て私の反応を楽しんでるくせに、と思っていたが、人魚が珍しいからかな?と思って、立てなくて尻尾を当てる。
syp
わっ!?
あなた
ww。運んでもらったんだし、別にみてもいいよ。
syp
あ…いや、放置できないし…絶対に他言はしないんで…。
あなた
ありがとう
syp
その…触ってみても、いいですか…?
あなた
ちょっとならいいよ?
 そう言うと、気まずそうにしていたショッピ君がしゃがんで触る。手は濡れたせいか冷えていて、尻尾と同じぐらいの体温になっていた。
syp
意外と…冷たいんですね
あなた
海冷たいからね。海の温度に慣れたら、ちょっとあったかいくらいだと思うよ。
syp
へえ…お風呂の度にこうなるんですか…?
あなた
そうだね…
 少し質問攻めに合い、色んな事が気になるんだなあと思いながら話す。
syp
…やっぱり、海とかプールとか行ったら、もっと綺麗に見えそうやな。
あなた
あー…そう、なのかな? 私、海行ったことなくて…。
湯舟ぐらいだから、泳げるかもわかんないなあ。
syp
え、そうなん? …。じゃあ、今度2人で海行かん?
あなた
…え?
ショッピ君からの突然の発言に、思わず首を傾げる。
syp
人がいないとこなんで、あんま面白くないかもしれませんけど…
あなた
…いいよ
syp
え、いいん…?
あなた
まぁ…中学生からの付き合いだしね。結構信頼してるから…裏切らないでね?
syp
当たり前やん。じゃあライン交換しましょ。
人前で話したら他の人も来たいっていいそうですし。
あなた
あ…そうだね。クラスラインから追加していい?
syp
はい。いっすよ



 それから、ショッピ君はそのまま帰って、私も衣服だけ取りに行ってお風呂に入りその日は終わった。
あなた
(…明日学校に行って、皆に人魚ってばれてたら、嫌だな…。いや、ショッピ君を信じよう…クラスラインもなんもないし…)

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