第54話

太宰の体調不良2
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2025/03/24 23:00 更新
太宰治
けほっけほっ
太宰治
しまった
太宰治
昨日の川が冷たかったのが原因かな
太宰治
幸いにも今日は休みだ……必要なものをとって部屋に籠ろう
江戸川乱歩
ん?太宰
太宰治
どうしましたか?乱歩さん
江戸川乱歩
これ、やる
太宰治
蜂蜜喉飴……
江戸川乱歩
早く治せよ
太宰治
お見通しですか
江戸川乱歩
名探偵だからな
国木田独歩
……太宰、あいつまた風邪をひいたのか
太宰治
国木田君、何作ってるの?
国木田独歩
塩鍋だ……風邪引きは寝てろ
太宰治
なぁんだ……国木田君にもばれちゃってるのかぁ
太宰治
ねえねえ、蟹いれてよ
国木田独歩
そんなものここにはない
太宰治
えーじゃあ買ってきてよー
太宰治
私、風邪引きだよー
太宰治
ねぇってばぁ
国木田独歩
…………仕方ない
太宰治
やったぁ
国木田独歩
……できたぞ
太宰治
いただきまーす……うん、おいしいよ
国木田独歩
そうか、食べたら寝ろよ
太宰治
はぁい
国木田独歩
食べたら寝ろと言ったのに…………
太宰治
寝れない寝れない寝れない寝れない寝れない寝れない寝れない寝れない寝れない寝れない寝れない寝れない寝れない寝れない寝れない寝れない寝れない寝れない寝れない
国木田独歩
ええい!じたばたするでないわ
太宰治
だって寝れないのだもの
太宰治
……あっ、国木田君、読み聞かせしてくれ給えよ
国木田独歩
んで、俺が……
国木田独歩
(そういえば、風邪のときは寝付きが悪かったな)
国木田独歩
一冊だけだぞ
太宰治
なに読んでくれるの?
太宰治
…………国木田君がメルヘン童話親指姫を選ぶなんて衝撃だよ。
国木田独歩
なんでもいいだろ、文句を言うな
国木田独歩
むかしむかし、あるところにお花が好きな女の人がいました。その女の人は子どもが欲しいと思っていましたが、なかなか願いが叶いませんでした。そこで魔法使いのおばあさんに相談すると、魔法使いのおばあさんは不思議な鉢をくれました。鉢から芽がぐんぐんと伸び、美しいチューリップが咲きました。女の人がチューリップにキスをすると花が開き、中にかわいらしい小さな女の子が座っていました。女の子はおやゆび半分の大きさであまりに小さかったので「おやゆび姫」と呼ばれるようになりました。

 人間の女の人と暮らしていたおやゆび姫ですが、ある日、割れ窓から入ったヒキガエルによりさらわれてしまいます。川面に浮いた葉っぱに閉じ込められてしまいましたが、姫の美しさに心打たれたメダカたちに助けられます。楽しい葉っぱの川下りも束の間、今度はコガネムシにさらわれて森へ。夏の間は花の蜜としずくでしのぎましたが、やがて厳しい冬がやって来ました。

 麦畑の野ネズミのおばあさんの家でお世話になっていたある日、客人のモグラが穴を掘って訪ねてきます。穴に横たわる息絶えたツバメに、モグラは見向きもしません。姫が干し草の毛布を敷いてあげると、ツバメは息を吹き返しました。春になり、ツバメに緑の森へ行こうと誘われましたが、野ネズミを孤独にしたくないからと姫は見送りました。

 夏になると、姫とモグラとの結婚話が持ち上がります。モグラと結婚したくない姫は、乗り気な野ネズミをよそに泣き暮らしていました。式と冬が迫る晩秋、刈り取られた麦畑で嘆く姫の前にツバメが降り立ち、南へ行こうといいます。姫は誘いに乗り、ツバメに連れられ南の国へ。

 南の国は楽園。ツバメの巣にほど近い花畑に降ろしてもらった姫は、花々に自分と同じ大きさの人がいるのを見て驚きます。花の妖精である彼らの王子様に求婚され、おやゆび姫はすべての花のお妃様になったのでした。
国木田独歩
めでたしめでたし
太宰治
意外と国木田君読み聞かせ上手いのだね
太宰治
すぅすぅ
国木田独歩
ようやく寝おったか……唐変木め
太宰治
国木田君、今何時?
国木田独歩
6時……もう夕方だ、体調は?
太宰治
平気だよ。有難う
国木田独歩
ああ

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