第9話

黎明
372
2025/04/18 14:00 更新



昨日、検査を受けて、無事に退院許可が出た。


病院からの朝焼けを見ようかと思ったけど、
妙なことをしてお説教を喰らうのは嫌だから辞めた。







だから、手紙を書いていた。

これならお説教を喰らわなくて済む…はず。

(なまえ)
あなた
(漂流郵便局…
 いいところを知ったな。)


漂流郵便局。

なんでも、亡くなった人や未来の自分に手紙を
送れるらしい。



 

四国にあるらしいその場所は、海風を感じられて、
夏がよく似合うところだそうだ。


あの人に送るには丁度いい。










いつか書こうと思っていたけど、
やめていた。


それに、私は語彙力があまりないし、
書き始めたところですぐ筆が止まってしまう。





だから、私は言葉を紡ぐんじゃなくて、
一つの言葉を書いた。


(なまえ)
あなた
(誰が最初に気づくかな…
 諸伏警部かな、? )



大それた物じゃないし、予言なんて物じゃない。


ただのメモ書きくらいの価値だけど…









私が死んだあと、誰かに見て欲しい。


ただそれだけだ。


看護師
あなたの名字さんはお早いですね…
まだ寝てても大丈夫ですよ?
(なまえ)
あなた
(この人、なんで気配しないんだろ…)
看護師
検温、失礼しますね〜



妖怪の類は信じないタイプだけど、
怖がりではあるから、この看護師さんは苦手だ。


そういう系統で行くと諸伏警部のあの独特な
雰囲気も苦手ではある。






でも、嫌いじゃない。

私の恩人がこんな雰囲気の人だったから。

看護師
あなたの名字さんは刑事さんなんですよね。
(なまえ)
あなた
えぇ、まぁ…
看護師
なんでなろうと思ったんです?



知ってどうするんだ、という気持ちは抑え、
素直な考えを探す。

この妙な力に気づいたのは高1のころ。




その時はただ、この力の詳細を知りたくて
間隔を空けながらタイムスリップした。






一日の中の何時間前にランダムで戻ること、
記憶力の問題で一日に3回以下しか使えないこと、
昼より夜の方が戻りやすいこと。


この力を持って良かったと思ったのは父と母の交通事故を防いだときくらいだった。2人とも病死だったけど、
安らかな最期だったと思う。






でも、よくないこともあった。


そうだ、それを防ぎたくて警察官になったんだった。

(なまえ)
あなた
子供が犯罪に手を染めないように
したかったからですかね…
看護師
良い夢ですね…
(なまえ)
あなた
夢じゃありませんよ…



そう、夢なんかじゃない。



夢なんて幻想的なものじゃなくて、
地続きにある今を基点として、その先にある未来を
見据えている。






言うならば、正夢。


私の言葉で言うのなら…

(なまえ)
あなた
私の、欲です。




月乃
みなさま、お久しぶりです🙇‍♂️
月乃
映画公開日ということで、なんとか
更新しようともがきました笑
月乃
もしかしたら、もう映画を見た方も
いるのかな…?
月乃
私はまだ見ていないのですが、
おめでたい気持ちでいっぱいです☺️
 

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