第8話

7
52
2021/02/20 06:55
光一王子
ここは・・・
ある花畑である。
だが、いまの光一王子はピンと来ていない。
剛王子
光一様・・・、手荒なことをして申し訳ありません。ですが・・・思い出してほしいのです・・・
あなたは、想い人のため・・・
アンナさまのために・・・毎日ここへ通い、花畑を作っていたのです。
光一王子
想い人・・・・・
少し彼の表情が和らいだ気がする・・・・
剛王子
あなたの思っているかたは、アンナさまなのです。
光一王子
・・・アンナ・・・・・
思い出そうとしても思い出せない・・・
光一王子
わからない・・・わからないんだ・・・
白馬は、光一王子の気持ちを察するかのように、頬をよせた。
虎隊長の姿をした魔女
光一、そいつらはお前の敵だ
光一王子の脳裏に声が聞こえてきた。
虎隊長の姿をした魔女
殺せ・・・・
邪魔なやつは、殺せ・・・
頭に声が響く・・・・
光一王子
うっ・・・・
光一王子は、頭を押さえてうずくまっている
剛王子
光一様?
剛王子が、光一王子のそばに駆け寄ると・・・
光一王子
やめろ!やめろ!
剛王子
光一様?どうしました?
光一王子
やめろ~!
来るな!
光一王子は、剛王子に、剣を向けた。
光一王子
・・・・殺す・・・😒お前を・・・
剣先は、剛王子の喉元だ。
剛王子
光一様、お願いです。あなた様のお陰でわたしは、人と接することも、愛することも学ぶことができました。あなたを、本当の友人と・・・思っています・・・
光一王子
友人・・・・?
悟兵士💂
光一様!剛!逃げろ!
だが、剛王子は、覚悟の上で・・・
剛王子
いいんだ。
と、悟に言った。
光一王子
では、死んでもらおう・・・
光一王子が、まさに剛王子を、突き刺そうとしたときだった!
アンナ姫
光一!やめて!
悟兵士💂
・・・・アンナさま?
悟がそう叫ぶ。
アンナ姫
光一・・・どうしたのよ!
どうして人を殺そうとしているの?
剛王子
アンナさま・・・光一様に近づいてはいけません
悟兵士💂
そうですよ、いまの光一様は・・・
アンナ姫
光一、ダメよ!あなたはそんなことができる人間ではないはずよ?
光一王子
・・・・アンナ・・・君が・・・アンナ・・・
光一王子は、混乱しているのか、後ずさりをしている・・・
アンナ姫
光一、虎がね、あなたのことを、助けてあげてって
悟兵士💂
アンナさま、どういうことですか?虎隊長は・・・・
アンナ姫
あなたは?
剛王子の方を見るアンナ姫
剛王子
すみません。
でしゃばった真似を・・・・
わたしは、隣の国から迷い込んでしまい、呪いをかけられ、光一王子に助けていただいた剛と申します。
深々と頭を下げる剛王子。
アンナ姫
まぁ、あなたが・・・
光一王子
・・・・・
光一王子は、頭が混乱していていまは、動けずにいるようだ。
剛王子
光一様は、犬の姿に変えられたわたしを、
捨てることなく、救ってくださいました。
だから、今度は命を懸けてあの方を救いたいのです。わたしの恩返しです。
アンナ姫
えぇ、わかるわ。彼は、優しい人ですもの
剛王子
あなたの力が必要なんです。虎隊長も、物の怪に操られているみたいですね・・・
アンナ姫
えぇ、彼の本当の魂は、神殿の中よ。わたしに伝えてきたわ。
虎隊長の姿をした、別の人物が乗り移っているのよね・・・・
いったい誰かしら・・
光一王子
フフフ、ずいぶん時間を加勢だようだな。だが、もう逃げられないぞ
光一王子の声じゃなくなっている
光一王子は、花畑を荒らし、
光一王子
おまえたちをまとめて殺してやる。誰が最初に相手をしてくれるんだい?
アンナ姫
光一、もうやめて!
光一王子
フフフ、アンナ、おまえはどいていろ。
アンナ姫
剛さん、彼は正気を失っているわ・・・
剛王子
はい・・・
大切な花が・・・
光一王子
うるさい!
鋭い光が、つよしと悟目掛けて飛んできた。
つよしは、なんとか避けたが、悟には命中してしまったみたいだ。

悟兵士💂
こ、光一さま・・・
剛王子
さ、悟さん!
光一、やめるんや!おまえの・・いや、あなたの仲間ではないですか!
光一王子
フン。仲間などいらない。お前も死にたいのか?つよし
剛王子
光一さま・・・
光一王子
次は外さない😏
光一は、もう一度光の矢をつよしに向けた。
その途端、アンナ姫がつよしの前に立った!
アンナ姫
やめて!もうやめて!光一!!
剛王子
アンナ様!ダメです
アンナ姫
だって・・・・
光一、お願い・・・大切な仲間を傷つけないで
光一王子
うるさい!
そして、光一は構わず矢を放った。
その光は、つよしにも命中してしまった。
剛王子
・・・うっ・・光一さま・・・
光一王子
ふふふ。苦しむがいい。この女は俺のものだ。
光一様の中に、その魂は移動したのか?
光一王子
さぁ、アンナ。私のもとへ来てくれるか?
光一は、手を差し伸べた。
虎隊長
光一!!しっかりしろよ!目をさますんや!!
光一王子
誰だ!
アンナ姫
虎?
アンナはこの声が虎隊長だとすぐにわかったみたいだ。
光一王子
・・・・虎?
光一にもこの声が聞こえたようだ。本当の光一に・・・。
虎隊長
そこのつよしというものの言うとおり。この花畑はアンナ、お前のために光一が作ったものだ
アンナ姫
えっ?
剛王子
はい、ここはあなた様・・・アンナ姫、あなたのために光一様が日々作っていた花畑です。彼はきっとあなたのことを・・・
虎隊長
そうや。アンナ、光一、お前たちは愛し合っている。もうお互い嘘を付くな。アンナ!ら、お前は気持ちを伝えろ
アンナ姫
虎・・・
光一王子
・・・・・
光一は、その声を聞き、黙っている。
アンナ姫
光一
アンナ姫は、光一王子の方を向くと・・・
アンナ姫
あなたを愛してます。あなたを忘れることはできません
光一王子
あ・・・ん・・な
悟兵士💂
つよし様!いまてす!!
悟兵士は、傷ついた体で、預かっていた剣をつよしに渡した!
剛王子
あぁ、ありがとう
つよしは、悟から、剣を受け取ると、迷わず光一の額に刻まれた刻印をついた!!
光一王子
うー!あー!やめろォー!!!
彼の中にいた邪悪な魂がとびだした

プリ小説オーディオドラマ