第6話

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2020/07/24 11:27 更新
その頃だった。
光一王子は、虎隊長に連れられて、神殿にきていた。
光一王子
虎!こんなところに連れてきて何をするつもりだ
虎隊長の姿をした魔女
俺のことをまだ、化け物扱いするのか?
光一王子
虎!目を覚ますんや!俺が元に戻して・・・
魔女
フフフ遅いよ。お前はここから逃げられない
虎の声が変わった?
光一王子
うっ、虎・・・
遠退く意識のなかで尚も虎隊長の名を口にする光一王子。
すると・・・?
虎隊長
・・・光一様・・・
閉じ込められた虎隊長の魂が光一の存在に気がついた。
光一王子
虎?お前・・・まだ、生きていたのか?
魔女
くっ・・・くたばれ!
虎隊長
光一!逃げろ!逃げるんや!
虎隊長は、魂だけで動いていてその姿は消えかけている
魔女
うるさい!黙れ!
虎の姿をした魔法使いは、その魂に、強い力を与えた。
虎隊長
・・・・こ、光一・・・・
その魂の声はそのまま消えてしまった。
光一王子
な、何をしたんだ!虎に、何を!
魔女
フフフ。動けなくしただけだ。お前と女を遠ざけるため。わたしは、代わりをしているだけだ
ついでに女も手に入れようと思ってな
光一王子
女って・・・アンナのことか?
魔女
フフフ。さぁ、楽にしてやるよ
光一王子
か、体が動かない・・・・
魔女
わたしの言うことをお前は聞いていればよいのだ。忘れたまえ
今までのことも・・・・
愛する喜びも・・なにもかも全部!
光一王子
うっ・・・いやだ!
虎隊長の姿をした魔女は、奇妙な呪文を唱え続ける。
光一王子
う・・・・うぁー
光一王子は、叫び声をあげ、その場にうずくまったが・・・
すぐに立ち上がった。
虎隊長
さぁ、光一様。戻りましょう。この城に、野良犬が迷いこんでいるようですよ😏
光一王子
のら犬・・・
光一王子は、今までとは違い、冷たく沈んだ目をしていた。
虎隊長の姿をした魔女
追い出しにいきましょう
そして、二人は城に向かった。

その頃、剛王子が、外へ出ると・・・
剛王子
悟様?
悟兵士💂
剛王子。ご安心を。彼はそう遠くにはいっておりません
剛王子
悟様。あなたも王子なのでは?なぜ、兵士の姿など・・・
悟兵士💂
怜香様は、わたしの婚約者。どんな人かと思い、兵士になって彼女のことを、知ろうと思った。
しかし・・・
剛王子
しかし?
悟兵士💂
わたしには、国に残してきた忘れられない人がいる。
剛王子
あなたのこと、本気で好きだったみたいですよ?怜香様は。気づいていたのでしょう?もちろん。
悟兵士💂
えっ?あぁ。彼女の気持ちは嬉しかったよ
剛王子
お互い、もっと話し合うべきでは?
剛王子は、なぜか悟のことを応援するようなことを言う。
悟兵士💂
今はお前がいるだろ?
剛王子
えっ?わたしは・・・
悟兵士💂
それよりお前はここが初めてではないのだな。やけに詳しいではないか
案内するつもりでいたのに。
剛王子
まだ、気づかないのですか?
悟兵士💂
えっ?なにがだよ。お前はこの城のことを知らないはずだろ?
まぁ、しいて言えば・・・おまえがまさか、さっきの犬じゃないだろうって・・・・
剛王子
犬って?
悟兵士💂
ほら、あの犬だよ。怜香様が連れていた・・・(正しくは光一様が、飼っていた)
剛王子
そうですよ。わたしは、あの犬ですよ
悟兵士💂
ふーん。そうか犬だったのか・・・・
って・・・えっ?!Σ( ̄□ ̄;)おいっ!おまえがまさか、あの光一様の犬なのか?
剛王子
気づいたんじゃないんですか?
悟兵士💂
当たり前だろ!
剛王子
そうですよね
ニコッとする剛王子に
悟兵士💂
(気づくわけねぇだろ)
と、悟兵士は、内心思った
悟兵士💂
お前、どうやって元に戻ったんだ
剛王子
怜香様の涙・・・でした
悟兵士💂
なんだ。良かったじゃねぇか
剛王子
えっ?
予想外の反応。
悟兵士💂
あの犬をみて思ってたんだ。犬の癖に、怜香様に片思いしてるなって。
今のお前をみてピント来た。お前は・・・いや、失礼・・・剛王子は、怜香様を、好きだって。お前、なんで招待を隠していたんだよ
剛王子
・・・・!
絶句する剛王子。
剛王子
怜香様にそんな姿を見られたら・・・・・って、怖かったんです。
人間でいられるのはたった二時間。光一様の前でしか人間でいなかった。
だけど・・・あのとき・・・光一様が、さらわれたとき・・・怜香様に伝えなくちゃと思いました。
人間の姿じゃなければ伝えられないと・・・・
正体がバレても構わないと・・・そのときは覚悟していました・・・
悟兵士💂
・・・・光一様のことを伝えに・・・
剛王子
そしたら、怜香様・・・
正体を知っても拒まずに、必死でわたしの看病を、してくださいました。命を救ってくれました。
悟兵士💂
それは、お前の気持ちが怜香様に届いたからだ。好きな人のせばにずっといた・・・・
だからこそ届いた・・・か
剛王子
悟様。温かいお言葉ありがとう。
と、そこへ、なぜか虎隊長と共に光一様が、戻ってきた。
しかし、なんか様子が違う?
剛王子
・・光一王子。無事で何よりです。
剛王子は、彼のまえに膝まずくと・・・彼に一礼をした。
光一王子
お前は何者だ
剛王子
えっ?
顔をあげると、光一様の目は、以前より冷たく沈んでいる。
そして、言葉も冷たい
光一王子
虎の言うのら犬とはお前のことか
剛王子
ど、どういうことですか?わたしは、あなたの・・・
光一王子
お前を雇った・・・いいや、入れた覚えなどない。つれて行け、悟。この城からそいつを、追い出せ
悟兵士💂
しかし、光一様!彼は・・・
光一王子
わたしの言うことが聞けないと言うのか?
悟兵士💂
光一様・・・
戸惑う悟兵士。
光一王子
フン!できぬならわたしが
剛王子
いいえ。自分から出ていきます!
悟兵士💂
虎隊長の姿をした魔女
ふはははは。いい気味だ
不気味に笑う虎隊長。
剛王子
虎様。おかしいのはあなただ。あなたは、なにかにとりつかれています
虎隊長の姿をした魔女
フフフフ。光一様は、お前のせいでこうなったのだ。
剛王子
・・・・・!
虎隊長の姿をした魔女
おまえがこの国に紛れ込んだことで彼は悪にとりつかれてしまった。
お前は元に戻ったのに・・・・
今度は彼に乗り移った。
お前さえいなければこうはならなかっただろう
剛王子
・・・・・
剛王子は、なにも言えなくなった。
悟兵士💂
そんなはずはない!虎隊長も知っているではありませんか!
虎隊長の姿をした魔女
さぁ?どうなんだ?
剛王子
わたしの・・・せい?
そうかもしれない・・・わたしは、彼を助けようとしたのに、逆に連れていかれた・・・・
光一王子
出ていかぬと言うのなら、この場で殺すぞ?
剛王子
・・・わかりました
そう言って彼は、ゆっくりと歩き出した。
光一王子
・・・!
しかし、光一王子は、剛王子の、寂しそうな表情を、見たとたん動けなくなった。
悟兵士💂
・・・わたしが、ついていきます。
悟兵士は、剛王子の後ろにそっとついて行くのだった。

悟兵士が、後ろにいることに気づいた剛王子は・・・
剛王子
悟様・・やはり・・・
悟兵士💂
あぁ、光一様は、今、感情がない状態。
剛王子
確かにそうやな・・・・
剛王子は、さっきの虎の言葉で相当傷ついてしまったようだ。
悟兵士💂
虎隊長に、すべてを奪われた・・・
と、考えるしかないな
剛王子
これも、呪いなのでしょうか
悟兵士💂
光一様の場合・・・いや、虎隊長と、光一様の二人の場合、アンナ様ってことになるよな
剛王子
アンナさまって幼なじみの?
確か、婚約されると・・・
悟兵士💂
お前、相手が誰だかわかっているか?
剛王子
確か・・・
虎隊長と婚約を、光一様自ら勧めたと
悟兵士💂
俺より詳しいじゃねぇか。さすが・・・いぬになってそばにいただけはあるな
剛王子
虎隊長も、実は王子なのでは?
悟兵士💂
あぁ、そうさ。
剛王子
位は、低かったと・・・
でも、ふたりは、本当に親しい仲だったみたいで・・・
光一王子
あぁ、光一様は、位なんか気にすることなく、虎隊長を、友人として迎えていた。
だけど、ある事実を知ってしまったんだ。
なぜ、詳しいんだ。この男は・
剛王子
ある、事実?
悟兵士💂
その昔、アンナ様の父と、光一様の父は、光一様の母を取り合ったことがあるらしい。これ、裏情報
剛王子
・・・・・えっ?
悟兵士💂
そんなことを聞いたら、一緒にいられなくなるだろ?
アンナ様の父親と、光一様の父親が今でも憎しみあっていたら・・・二人は幸せになれないって・・・
たぶん、光一様は、それに気づいて二人の婚約を勧めたんだろう・・・・
剛王子
だけど、アンナ様の心は?
悟兵士💂
あぁ、きっとアンナ様は光一様のことが・・・・
そして、森の魔女ってやつは、虎隊長のその複雑な思いを利用してるって感じだな
そして、
剛王子
・・・・・
好きなのに、届かない・・・・
だけど、幸せになってほしい・・・
彼は・・虎隊長はそう思ったんだろう・・・
なのに、利用されるなんて・・・
剛王子
悟様・・・光一様も、アンナ様を忘れられないはず・・・アンナ様の姿を見たらきっと・・・
悟兵士💂
うまくいけばのはなしだが・・・
光一王子
悟!どこへ行った!
悟兵士💂
光一様だ!隠れろ!
小部屋に隠れる剛王子。
光一王子
悟、何をしている。馬を用意しろ
悟兵士💂
あっ、はい。・・どこへ行かれるのですか?
光一王子
どこでもいいだろ!
こんなに、怒った声の光一様は、初めてだ・・・
小部屋からそっと覗きながら、剛王子は、思った。
光一王子
さっきの野良犬は、ちゃんと捨ててきたんだろうな
悟兵士💂
・・・・はい
光一王子
さぁ、早く行け!
悟兵士💂
・・・はい
剛王子は、光一様の冷たく沈んだ目を見ていたくなかった。
自分の国にいた頃のことわ、思い出してしまった・・・・
剛王子
(もう、ここにはいられない・・・・)
そう思った剛王子は、やはり、出ていくことにした。
これ以上ここにいたら・・・
レイカ姫
お兄ちゃん、無事だったのね
光一王子
怜香・・・
レイカ姫
剛は?剛王子を、知らない?
光一王子
剛・・あー、あの野良犬はのことか
レイカ姫
野良犬って・・・
剛王子は、もう、野良犬じゃないわ
悟兵士💂
怜香様・・こちらへ
悟は、怜香様に耳打ちをした
光一王子
怜香、お前は早く勉強をしろ!
レイカ姫
お兄ちゃん・・・
剛王子を、見捨てたの?
光一王子
うるさい!
レイカ姫
お兄ちゃん、ひどいよ。剛王子は、お兄ちゃんの大切な友人の一人なんでしょう?悪に取りつかれてる虎隊長に、なにか吹き込まれたの?
光一王子
言うことが聞けないのか?
光一王子
光一様が、怜香さまに、手を出そうとしたので、剛王子は・・・
剛王子
光一様!お止めください!
レイカ姫
剛王子・・・
光一王子
なんだお前、まだ、いたのか
剛王子
光一様。わたしは、あなたを助けたいのです
光一王子
助けるだと?お前に助けてもらう必要などない!
どんどん冷たい言葉が返ってくる。それでも、剛王子は、光一様を信じて・・・
剛王子
あなたは、お優しい方・・・・だから・・・・
光一王子
うるさい!私を怒らせたいのか?これ以上言えば・・いや、ここから去らないと、本当に斬るぞ?
光一様に、睨まれたが、剛王子は、真剣な顔で見つめ返す。
剛王子
あなた様のためなら、死ぬ覚悟はできております。
光一王子
それなら・・遠慮なく・・
光一様は、迷わず剛王子に、剣を向け
レイカ姫
やめてよ!お願い!この人は、お兄ちゃんの大切な人の一人なんだよ?友人でしょ?どうしちゃったのよ!何があったの?
怜香様に、止められ、剣を下ろした光一様は
光一王子
私に友人など、必要ない
そういい放って去っていく。
光一王子
命拾いしたと思え。だが。次にあったときは、容赦しないぞ?
怜香、例え妹で、あろうと・・
だが、その様子を、悟兵士が、唖然としてみていた。
悟兵士💂
( ; ゜Д゜)
あっ!光一様・・・
馬の用意ができました。
・光一様は、無言で悟兵士と、共に去ってゆくのだった。
光一王子
・・・・
レイカ姫
おかしいよ。あんなのお兄ちゃんじゃないよ
剛王子
怜香様・・・
レイカ姫
せっかく戻ってきたと思ったのに・・・
なんで?
怜香様は、涙が止まらないでいる・・・
剛王子
怜香様・・・人の心を動かすには、やはり、愛の力が必要ですね
レイカ姫
えっ?
剛王子
私のことを斬ろうと思えば、いつでもできたはずです。しかし、彼はきっと、心のどこかでそれを迷っています。
そう、俺は信じている・・・
その頃、光一様は・・・
一人白馬の前に来て、少し悔やんでいた。
光一王子
わたしは、なぜあいつをきれないんだ。
何を血迷うことがあるんだ!!
光一様は頭を混乱させているようだ。
白馬は、そんな光一様を、なぐさめようとしたのかすり寄ってきた。
光一王子
俺は・・・・
そしてなぜか、白馬のことを拒否することが出来ない・・・
そればかりかこの白馬を見ると、自分は毎日、この馬に乗って何処へ行こうとしていたのだろう・・・

それを、思い出そうとするのに、思い出せない・・・
俺は・・・
俺は・・・・

光一王子
毎日一体何をしに行こうとしていたのだろう・・・・
光一様の目がすんだ目に戻りかけていた・・・

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