第9話

five .
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2026/04/09 09:24 更新
syp side
午後の訓練も終わりに差し掛かり、

空にも僅かな朱が差した頃。

誰かの、高音が轟いた。

鈴が鳴ったと錯覚するような大声。

耳につんざくような、高い、高い声。

季節外れの蝉なら良かったのに。
ci
ショッピ〜!!!!!
syp
部長並みにうるさいんやけど
ci
いやだってさぁ〜
そう始まる世間話という名の愚痴。

左から右へ流して、たまに相槌を打つ作業。

あ〜、帰っていいかな。
syp
愚痴は聞いてやるから
syp
とりま座らせて
ci
聞いてくれるんやったら!
ようやく愚痴から一時解放(仮)されたのは、

自主練していた一般兵達も、

武器などを片付けて帰った後のことだった。
syp
てかもう暗くなりかけやん
syp
ねっむ…
ci
幼児かよw
ci
まだ7時にもなってないで?w
そうニヤニヤとこちらを見てくるチーノ。

瓶底メガネに隠された橙色が、

空に浮かんだ月よりも、半月になっていた。

そのくせ、色がやけに冷たかったのは、

きっと、目付きがうんと悪いせい。
zm
あ、ショピチノやん!
声のする方へ体を向けると、壁にゾムさん。
syp
ス◯イダーマンか何かですか?
ci
ありえる
zm
まぁ俺やしな
語弊があるかも知れないが、

本当に、壁にゾムさん。

多分壁にめり込んでるか、ワイヤーか。

人間な限りはまぁ後者であろう。
zm
そーいやトントンがキレてたで
zm
メシ冷めるって
トントンさん…

脳内再生余裕過ぎて困る。
syp
困りますね(別の意味で)
急に、背後から物音。

背後には、チーノと一般棟のみ。

そういや、チーノが静かなような。
syp
…チーノ?
ci
…ん
ci
いや、なんでも
喉元を押さえるように俯いていたチーノ。

顔を上げた時の表情に、

人間ではないような深みを感じた。

…きっと、うんと視界が暗いせい。
きっと、めいびー。

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