ーttmr視点ー
はっとすれば、そこはさっきまでいた道。
周りが心配そうな目でこちらを見ている。
さっきのは、夢ではない。
あなたは、咲嘩の中に魂を入れる契約を事前に何処かでしていて、そして今、その中で眠っているんだ。
それから、さっきあった事を話した。
二人は呆然としていたが、咲嘩が自身の目に触れて、言う。
あなたのあの言葉で一気に希望が見えてきたとはいえ、問題がある。
玲の出してきた手を握った時、彼は言った。
何年経ったかはわからない。でも、二人は確実に若いままだから、そこまで時間は経ってないんだろう。
ゆっくりと呼吸し、入ってくる霊力を貯めていく。
そして、ある程度貯めたところで、技を打つ。
上手くいくかどうか、不安でしかなかったが…。
一気に光に包まれた後、そこには目を瞑って座っているあなたがいた。
俺の想像した体に作られるから少し小さく子供っぽいが、我儘は言ってられない。
俺の前に、咲嘩さんが座り込む。
彼女の肉体から溢れる神の霊力が、どんどんと落ち着いていく。
痛みでも感じると思っているのか、少し震えている体。
一つ呼吸をして、彼女の頭に触れる。
そして手に霊力を纏わせて、少しずついれていく。ゆっくりと、精神に干渉する。
長い間そのままだと自我が危ないのは証明済みだから、さっさとあなたの魂を探す。
ふと、柔らかいような感覚がして、それを掴んで持ち上げてみる。
俺の手をあるのは、水色をしてて柔らかそうな玉。
多分側から見たら、青い玉を持ってるようにしか見えないだろうが、これが魂なのは確実。
俺は肉体を寝かせて、額部分に魂を浮かせて乗せる。
途端に、霊力が一気に体が抜ける。
地面に膝をつくと、玲と咲嘩が俺の体を支えてくれた。
そして目の前の魂は、薄く光を発しながらふわふわ浮いている。
…やがて。魂は溶けるように肉体に吸い込まれていった。
皆が口々に言いながら、床に倒れる。
そして皆、座りながらニコリと目を合わせて笑う。
くるっと皆が振り向いた時。
あなたは正座して、以前と変わらない笑みをして、俺らを見つめる。
俺は何も言わず、あなたを抱きしめる。
より力を入れて抱きしめる。もう二度とあんな事を起こさないと、誓いも込める。
二人とて存在しない妹を、守る誓いを…。
END .
本当のEND .












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。