~あなたside~
朝、意識が浮上して目を開けると真っ先に目に入って来たのは見慣れぬ天井だった
そうだ…昨日ママとパパが喧嘩して…おばあちゃん家に来たんだった
スマホを手に取り時刻を確認すると7時を少し過ぎた頃
まだ寝てるとしたらもうそろ起きないと遅刻してしまう
そう思った私は紫耀に電話を掛けた
……やっぱりまだ寝てたなコイツ←
いつものお決まりのセリフを言ったら飛び起きたようだ笑
こうして名残惜しいけど電話を切った
早く紫耀に会いたいな…
____夕方
ひまだ…ひまひまひま…暇すぎる
自分の家じゃないから特にやることも無いし
散歩って言ってもこの辺田舎だから何も無いしな…
と、フラフラ歩いていると昔よく遊んでいた公園を見つけた
昔は綺麗だったのに今じゃ少し古びた遊具
よく遊んでいたブランコに座るとLINEの音が鳴った
私は今いるこの公園の風景を写真に収め、LINEに添付して送った
………なんでいきなり照れるようなこと言ってくんのよ…///
普段天然だしバカなのに…こーゆーとこ勝てない
紫耀って…Sなのかな…
ほら、やっばり勝てない
LINEしてたら会いたい気持ちが破裂しそうになった
私ってこんなに紫耀に依存してるんだな…
早く会いたい
早く抱きしめて欲しい
早くキスしたい
そんな思いをグルグルと考えながら私は夕陽を見つめていた
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。