第8話

#07 ある約束を
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2022/01/15 07:00
結月
結月
......ねえ、死神君。
いつしかもう夜で、死神君がいた。
死神君
死神君
どうしたの?
結月
結月
なんで、夜なの......?
すると、あのときと同じように、左手を頭の後ろにやって言った。
死神君
死神君
......昼間だと、目立つし、迷惑でしょ。
結月
結月
......。
結月は思い出した。
それは、彼が、癖で、嘘をつくときにやっていたのだ。
流行ってるのだろうか。
そうなれば、なにかが嘘だ。
結月
結月
......まず、貴方の姿は人に見えるの?
死神君
死神君
あ......
あたりまえのことを忘れていた。
アニメとかでは、普通の人間には見えないのだ。
結月
結月
死ぬ間際の私だけじゃなく、みんな見えてるの?
死神君
死神君
......昼間だと忙しいから......
また頭に手を。
結月
結月
昼間だけ?
死神君
死神君
......
意外と、単純なのかも。
死神の抜けっぽさに、親近感がさらに増した。
死神君
死神君
わかった、行くよ、昼間でも。
結月
結月
やった!ありがとっ!
実はこの頃寝不足だったのだ。
寝不足だと、眠い。日中でも。
とくに、毎日ベッドの上だ。
ふと、カレンダーに目を向ける。
結月
結月
......っていうか、もう1月だね。
死神君
死神君
......そうだね。
結月
結月
......願い事、か。
あと3つだよね。
分かんないよ、なに願えばいいか。
死神君
死神君
思い付かないの?それとも、
死神君
死神君
......選べないってこと?
結月
結月
まあ、そうなんだけど、いざとなったら、思い付かないの。
死神君
死神君
......。
死神君
死神君
......あ、夜が明ける。
帰る、と言う前に、結月は死神の腕をつかんだ。
死神君
死神君
......
結月
結月
......別に、もう帰らなくったって、いいでしょ?
結月
結月
夜限定じゃ、ないでs......
瞬間、結月にすごい睡魔が襲った。
強力すぎて、不自然だった。
あっさりと負け、無意識にベッドに体を預けた。
死神君
死神君
......ごめん、やることがまだ、ある。
眠る結月をそっとなで、また、窓から出ていった。

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