小「末さん、なあ、聞いてる?」
末「…聞いてない」
小「聞いてないんかい、」
小「まあええわ、笑」
末「…うん」
ああ、ほんまに綺麗な顔してる。
ぱっちりした目に、
ありえないくらい整った鼻筋。
めちゃくちゃ柔らかそうな唇。
自教室には生徒が誰一人残っておらず、
コンビニで買ってきたアイスを広げ、
どれから食べようか迷っている姿でさえ
絵になるし、綺麗だし、なんか腹立つ。
末「…ねえ、小島」
小「ん?なあに?」
末「…なんでもない」
小「えー?何よそれ」
小「末さん今日おかしない?」
小「暑い?大丈夫?」
…暑い?ああ、暑いよ。
お前のせいでな。
ずっと好きなんだから。
そんな奴が俺の隣に当たり前みたいに座ってて
当たり前のように第3ボタンくらいまで開けて
当たり前のように俺に寄りかかってきてるんだから。
そりゃ色んな意味で暑いよ。
小「…最高気温38℃?何それ」
小「人間の体温より気温の方が高いって」
小「地球大丈夫なんかな、」
末「…それな」
地球の心配をする前に、
まずは自分自身の心配をした方がいい。
どれだけ一緒にいても
結局毎回、心臓の鼓動は速いままで
この心音を聴かれたら、
きっと小島はこの大きな目を
ぱちぱち瞬かせるんだろうな、
なんて思いながら、アイスを齧る。
小「…それ一口ちょーだい」
末「…どーぞ」
わざわざ聞く必要ないのに。
お前になら何あげてもいいのに。
火照った体に染みる冷たさが心地良い。
まあ、小島が齧った部分を見つめるだけでも
また体は火照り始めるけど。
ちょろくて、自分が嫌になる。
……嫌になる。
クラスメイトの女子に抱きつかれているあいつを見ると。
聞きたくもない、早すぎる心音が、
耳の奥でどくどくと脈打つ。
男の俺は、その土俵にすら立てない。
末「…最悪」
まあ、そりゃそうだよな。
うん、諦めよ、俺。
だって小島だし。あの小島だよ?
そりゃ、美人な女の子の方がお似合いだ。
末「…熱、」
熱を帯びた涙は生温くて。
ちくりと痛む胸が熱くて。
カバンから無理矢理引っ張り出した有線のイヤホンは
今日に限ってめちゃくちゃに絡まっていた。
今時有線イヤホンなんてあまり見かけないけど、
いつだったか、あいつと片耳ずつつけて
一緒に音楽を聴いている時間が、
たまらなく愛おしかった。
暑い。熱い。
苦い。苦しい。
なんかもうよくわかんなくて、
所々絡まったままのイヤホンを
とりあえず耳にねじ込んだ。
プレイリストを再生すると、
こんな俺の状況を嘲笑うかのように
切ない失恋ソングが流れてきた。
サビに差し掛かって、
曲がどんどん盛り上がっていくというところで
「間もなく、4番線に…」
俺が乗る電車がもうすぐ到着することが
お知らせされる。
ふいに、片耳から、
イヤホンが抜かれる感触がして
思わず後ろを振り向いてしまった。
小「えー?失恋ソング?珍しいなぁ」
末「…今さっきしたから」
小「え?」
末「え?あ、えっと、」
暑くて頭がぼーっとしていたせいなのか、
言う予定のなかったことを口走ってしまった。
よりによって、他でもない、失恋した相手に。
小「好きな人おったん?」
末「まあ、うん、」
イヤホンぶら下げて目まんまるにしてるけどさ、
その好きな人はお前だよ。
さっき女子に抱きつかれてたお前。
きっとあの後…
だめだ。考えたら余計苦しくなる。
小「誰。好きだった人。」
電車が来た。
だから教えてやった。
とびきりの笑顔で。
捨て台詞みたいに。
末「小島。」
小「なに?」
末「小島だよ。好きだった人。」
小「…え?」
やり切れない気持ちになって
電車に乗り込んだ。
正確には、乗り込もうとした。
小「待って。」
ぐい、と腕を引かれてよろける。
そういえばイヤホンも片耳ずつつけたままで。
いつもそうやってたから違和感なく
普通に歩き出してた。
腕と頭が引っ張られる。
電車のドアが閉まる。
あ、ださいことした。
逃げようと思ったのに。
タイミング見失ってただ告白しただけの奴になっちゃった。
小「好きなの。俺のこと。」
末「別に。」
小「好きだった人ってなに?」
末「だってさっき女子に抱きつかれてたじゃん」
小「あれはちゃうよ、」
末「何が?」
小「告白されたけど断った」
小「したらあかんってわかってたけど」
小「あの後あの子のこと突き飛ばしたよ」
末「最低な男や」
小「なんとでも言えば?」
小「…好きだよ、」
末「ええってもう、」
小「なんで信じてくれへんの」
小「末さんの隣は俺でしょ?」
ああ、ずるい。
俺の心に張っていた氷を
簡単にこいつは溶かしてしまうから。
どろどろになるまで溶かしちゃうから。
だから、なんか、
俺も焦って何も言えなくてさ。
まだ俺らの耳には片方ずつイヤホンがつけられてたから
まあ、とりあえず、流れていた失恋ソングは
スキップしておいた。
お久しぶりです生きてます元気です(?)
全然更新できてなくてごめんなさい😭😭
そのくせクオリティがカスすぎる😃😃
下手になってるよ😭😭
自業自得ですね完全に…
暑いけど体調には気をつけてくださいね💭💕
気が向いたらまた更新します🫶🏻💘
コメントちょうだい‼️👈🏻
もうなんでもいいからみんなとお話ししたいよ😭😭
Runwayの話とかでもドラマとか映画の話でも
日常の話でもおれについての話でも(ん)
なんでもいいからコメントして😭😭
(図々しすぎて我ながら腹立たしいゎ。)












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。