ある日の午後。
あなたの下の名前は玄関で男の術師と話していた。
あなたの名字「えっと、その……あの件、直哉さんに伝えたほうが……」
恥ずかしがりながら、必死に丁寧に話しているだけなのに、うぶなあなたの下の名前の頬はすぐに赤くなってしまう。
直哉「……は?」
背後から低く冷たい声。
振り返ると、直哉がいつの間にかそこに立っていた。
眉間に深い皺を寄せ、唇を薄く結んでいる。
直哉「俺の犬やねんけど、なんで許可なしに話しとんねん?」
術師は短い悲鳴を上げた後、肩を震わせて颯爽と逃げていった。
直哉「お前は……俺の忠犬のくせに、なんで他の男と話してんの?」
あなたの下の名前はびくっと体を硬直させる。
あなたの名字「い、いえ……別に……っ」
直哉「しかも……なんで顔赤らめてんの?
誰にでも赤くなるんやな」
あなたの下の名前はあわてて首を振る。
あなたの名字「ち、違いますっ!直哉さんだけですっ…!」
直哉はその答えにさらに目を細める。
直哉「……はぁ?じゃあなんで今顔真っ赤なんや。
優しくしてくれりゃ誰でもええんか?そんなんやったら優しくない俺は要らんやろ?」
あなたの下の名前は俯き、耳まで赤くなる。
必死で言葉を絞り出す。
あなたの名字「ち、ちがいますっ…、わたし人と話すの慣れてなくて…」
直哉は突然、あなたの下の名前の顎を軽く掴んで顔を上げさせる。
直哉「… 言い訳すんなや。大体、勝手に俺以外と話してる時点で問題やねん」
あなたの下の名前は俯き、縮こまる。
直哉はあなたの下の名前を冷静に見つめながらも、目の奥には独占欲が光っていた。
舌打ちして呟く。
直哉「…… お前は俺だけのもんなんやで。それしっかり自覚せぇよ」
そんな言葉に、あなたの下の名前は少しときめいた。
あなたの下の名前は小さく息をつき、少し顔を上げる。
あなたの名字「…わたし直哉さんだけの犬です」
直哉はその言葉に、口元だけ微かに緩める。
なんですぐ甘くなってしまうのかも、なんで嫉妬するのかも分からない。
直哉「……ま、今日のとこは許したる。
でも次、他の男と話すんなら……わかっとるな?」
あなたの下の名前は喜んだように顔を上げて、花が咲いたように笑顔を見せる。
あなたの名字「はい……っ!絶対……直哉さんだけに従いますっ」
直哉は小さく笑いながら、リードをひくようにあなたの下の名前を引き寄せる。
直哉「……ほんま、俺にとって都合のええ女やな」
あなたの下の名前は胸を押さえながら、嬉しさと恥ずかしさで顔を真っ赤にしたまま。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。