ガチャッ……
それだけ返事をし、そそくさと部屋へ向かう。
……いけない、親を無視するところだった。
真莉に会ったくらいでこんな……。
あっちはどうせ何も気にしてないんだから、私だってすぐに忘れればいいのに。
頭の中ではそう思っても、なかなか性格は変えられないみたいで。
なんの根拠もなく…………いや、やっぱり私が悪いのかな……。
当時言われた言葉が頭の中を掻き乱す。
…………もう、無理かも。
死にたい…………死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたいっ…………。
…………今、このカッターで胸を突き刺せば……死ねたりする…………?それとも……下から包丁でも持ってくる……?
……せっかくのハレブタイなのだから、血みどろになって、原型も留めないほどに肉をえぐって……見るに堪えないモノになりたい。
人生に一度しかない『死』なんだから……私の好きなように死にたい。
…………多分、カッターや包丁1本じゃ駄目だ。
でも…………他人に迷惑をかけずに死にたい気持ちもある。
一番手っ取り早いのは…………事故死。
こんなこと言ったら祟られるのは分かる。でも…………
…………駄目だ、今日は何も考えられない。
頭の中には『死にたい』という感情しか残っていない。
なんの準備もせずにいきなり自殺に走ったら…………失敗しかねない。
……こんなんじゃ、いつまでたっても死ねないな。
…………カシャン
手が、震えてる……。
……私、こんなに深く切ってたっけ……?
無意識のうちに腕を切っていたらしく、床には血溜まりができていた。
…………やば、布引いてなかった……。
慌てて立ち上がると、貧血のせいか目眩がした。
う……気持ち、悪い…………。
そのまま倒れ込んで、動けなくなる。
目もチカチカして、脈の動きも普通じゃない。
これ、普通に死ぬかも……。
呑気にそんなことを思う私に呆れる。
…………いいや、もう。
矛盾した考えの中、私は意識を飛ばした。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!