第6話

第6夜 過去
565
2020/01/04 08:58
モトキside






今朝、びっくりすることが起きた。

まさかの俺の幼馴染がここに来た。

いや、正確に言えば、ダーマが連れてきたのか。

でも、あなたと会えて嬉しかった。

俺が引っ越して以来、話す機会も無かったからな。

けど、ちょくちょくあなたのことは聞いていた。
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モトキの部屋にて。
モトキ
モトキ
それにしても久しぶりだね、いくつになった?
あなた

今年で18...かな?

モトキ
モトキ
もうそんなになったのか...。大きくなったなぁ...。
あなた

それにしても...モトキくんはどうしてここに...?

モトキ
モトキ
ん〜?ちょっと理由あってね〜。
あなた

そっか...。

モトキ
モトキ
そういうみっすーはどうしてここに?
あなた

ダーマさんに助けられて...。

モトキ
モトキ
ダーマに?助けられたって...どうしたの?


あなたは昨夜のことを事細かに教えてくれた。


俺はその事にちょっとだけ心当たりがあった。


モトキ
モトキ
ねぇ、あなた。確か...親から虐待受けてたよね...?
あなた

...うん。

あなた

酒浸りで...すぐ暴力振るうお父さんで...よくモトキくんに泣きついてたっけ...w

モトキ
モトキ
それで確か...お酒のお金が欲しくて借金をしてたって聞いてたけど...。
あなた

...うん...。



あなたのお父さんはもう居ない。


消息を絶ったと聞いた。


膨大な借金を残して。


その借金があなたに回ってきて...。


それで昨日のことが起こったってわけか...。


なんて最低な父親なんだろうか。
あなた

まぁ...私がいけないんだと思うよ...。

モトキ
モトキ
なんで?
あなた

だって...私いっつも父さんに言われてたんだ。
お前が生きていなければ、ってね...w



笑って隠してるつもりだろうけど、


あなたの目には涙がこぼれている。


モトキ
モトキ
...大丈夫だよ。
あなた

...モトキくん...。

モトキ
モトキ
俺がついてるから。
あなた

...っ。

モトキ
モトキ
おいで。
あなた

...っ...モトキ、くん...うっ...。

あなたの目から涙が次々とこぼれ落ちる。


きっと辛かったんだろう。


それをずっと言えなかったんだろう。
モトキ
モトキ
大丈夫だよ。
辛くなったら、俺かシルク、ダーマを頼ればいいよ。
あいつらも、なんかあったら助けてくれるだろうし。
あなた

...うんっ...ありがとう...。




相変わらず可愛いな...。


モトキ
モトキ
落ち着いた?
あなた

うん...ありがとう...。

モトキ
モトキ
それじゃあ、戻っていいよ。
俺はちょっとあなたと話したかっただけだから。
あなた

うん...。



ガチャッ


あなたも今まで辛い思いしてたんだな...。


すごいなぁ...。

モトキ
モトキ
今まで必死に耐えてきたんだな...。
ごめんな、あなた...。
寄り添ってやれなくて...。

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