第7話

5.
3,033
2022/03/30 10:10 更新



HNside








目を開けると暗闇の中に一人で突っ立っていた。



ハン
ハン
ここは…?
頭が少しぼんやりとしている。



訳も分からず当たりを見渡す。






だんだんと、不安な気持ちでいっぱいになっていく。





???
???
ねぇ…
ハン
ハン
えっ!?
突然聞こえる声に体が硬直する。



ため息混じりで、どこか悲しげな声が暗闇全体に響き渡る。

ハン
ハン
誰…?
蚊の鳴くような声で尋ねてみる。



ふふふ、と力なく鼻で笑う声が聞こえたと思ったら、




???
???
僕だよ…ハンだよ…
と、信じ難い答えが返ってきた。



僕…!?



恐怖がさらに増し、体全身が震える。



声はさらに続ける。
ハン?
ハン?
お前は…ホントにダメな人間だよ…



ドクン。



その一言に頭が真っ白になる。
ハン?
ハン?
弱くて、消極的で色んな人に迷惑かけて…恥ずかしくないの?ㅋㅋ
どこにいるのかも分からない、得体の知れぬ僕を馬鹿にするような声にただただ混乱する。






怖い







ハン?
ハン?
常に自分を偽って、笑って誤魔化して…自己防衛しかしないよね〜ㅋㅋ



足に力が入らなくなり、その場にへたりこむ。



僕は…自己防衛しかしないんだ。



自分を偽って…他人の評価ばかり気にして。



どうしようもない人間なんだ。




頭の中が空っぽになっていく。

ハン?
ハン?
もう、辛いよね
深いため息が聞こえる。
ハン?
ハン?
大丈夫だよ
え…











ガシッ。





ハン
ハン
んぐっ!?
何者かに首を強く締められる感覚が走る。





苦しい…っ





力が入らず、抵抗が出来ない。







ハン
ハン
いや、だぁ…ッッ!!
助けて。











死ぬ



ハン?
ハン?
どうして足掻くの?
君がずっと望んでいたことじゃないの?
そうだけど、違う。



何でか分からないけど、やだ。



そう言いたいが僕は唸ることしか出来なかった。
ハン
ハン
うぅぅ…ッ!
誰か…














………………………………










リノ
リノ
ジソナ!!
ハン
ハン
うあああ!や、だぁっ!
リノ
リノ
しっかりして!ジソナ!
はっと目が覚める。



体全身が汗でびしょびしょになっていた。



顔を上げるとリノヒョンが。
ハン
ハン
リノ…ヒョン…?
さっきのは、夢だったのか…



なんだか安心して、思わず涙を流した。
ハン
ハン
よかっ…たぁ…うっ…
リノ
リノ
え、え、なんで泣くの!?
帰ってきたらジソナがめちゃくちゃ唸りながら寝てたから慌てて起こしちゃったんだけど
…ダメだった!?
僕が泣いてるのを見て焦ってペラペラ喋るヒョン。



僕は首を横に振り、起こしてくれてありがとう、と伝えた。
リノ
リノ
怖い夢でも見たの?
ハン
ハン
少しね…でも大丈夫。これくらい、なんともないよ。
にこっ、といつものように笑ってみせる。



本当は、怖くて仕方ないけど。



誰かに、この悪夢のことを伝えて、「大丈夫だよ」って言って欲しいけど。






無駄だから。そんなの。



結構、夢で言われたことは僕自身、否定できない。



こうやって今も、自己防衛をしていく。



自分を偽って、生きていく。



あぁ、もういっそあの夢の中で死んでしまった方が良かったのではないだろうか。



そう思うとまた涙がこみ上げてくる。



泣くな、僕。



ヒョンに涙を見られないように俯いた時だった。

















あれ?




















暖かい。








ハン
ハン
え…?
リノ
リノ
一人で抱え込まないでって言ったのに。
耳の横から聞こえるヒョンの声。




僕今、








抱きしめられてるの?
リノ
リノ
ねぇ、ジソナ。
君を苦しめてるものは何なの?
ヒョンの声が、優しくゆっくりと聞こえる。



体を起こすとヒョンと目が合う。



ぱっちりとした、丸くて水晶玉のような目。
リノ
リノ
俺が守ってあげるよ。そばにいてあげる。
ジソナに…笑ってほしいから。
ヒョンが優しく微笑む。



なんでだろう、涙がぽろぽろと溢れだした。






何を言ってるの?ヒョン。
ハン
ハン
嘘、だ…
思わず今までの辛かったことを吐き出しそうになり、ぐっと堪える。



落ち着けハンジソン。



嘘に決まっているだろう。



言葉なんてみんな口で簡単に言えてしまうんだから。



本当の僕を知らないくせに。よく言えるよね…
ハン
ハン
僕は何にも、苦しめられてない、し、悩んでない、から。
変なこと、言わない、で…
あれ、なんでこんなにたどたどしくなるんだろう。



このままじゃ余計に怪しまれるよ…
リノ
リノ
じゃあ、なんで泣いてるの?
…ジソナ、無理しちゃダメだよ。
ヒョンに頭を撫でられる。



僕は首を横に振り、その手を払いのける。
ハン
ハン
ほんとにっ、大丈夫だからっ…
…勉強しなきゃ行けないし、もう出ていってよ…
僕が静かにそう言うと、ヒョンは小さくため息をついて
リノ
リノ
…分かったよ。ジソナが大丈夫なら。
と言い、僕の部屋から出ていこうとする。



いいんだ、これで。



ドアの前でヒョンが立ち止まり、去り際にこう言った。
リノ
リノ
だけど、少しだけでも僕を頼って欲しいな。
…少しだけで、いいから。
ドアが閉まる。



僕はうずくまる。







分からない。



自分のことも、リノヒョンのことも。



ただ、ヒョン抱きしめられた温もりが僕の体を未だに包み込んでいた。



涙が止まらない。



僕が悪夢に唸されてただけで、なぜヒョンはあんなに心配してきたのだろうか。



まさか…本当の僕を…知っている…?



…そんなわけないはずだ。






体をもう一度ベットに預ける。




何故か僕の心の中には、本当の僕に気づいてあって欲しいと思う自分がいた。





頭痛いな。













体にまとわりついていたヒョンの温もりはいつの間にか消えて、また寒くなった。























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なんか修正しまくったら違和感しか残らなくなりました。


なんだろう、書きたいことありすぎて上手く書けなかったね?



若干暴力的な要素が入っちゃったかな…


苦手だった方すみません…










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