第41話

39話:スイッチ
294
2024/04/23 10:59



『…』



あなた「…」



気まずい。



シーンと漫画で効果音がつきそうな空間があるならまさにここだ



あれからと言うもの、なんで声をかければいいのかわからずにいた



『そっ、空がぁー…綺麗…だねっ!!』



あなた「…雨降ってるけど…」



『そっ、それ何書いてるの??猫?』



あなた「…犬」



会話を試みたけどこんなふうに噛み合わない



俺、いつも女の子とどうやって話してたっけ?



ピーンポーン



と、ナイスタイミングでインターホンが鳴る



両親ともいないから、俺が確認すると知らない人…



『…はーい』



?「あー、お届け物でーす」



『はーい』



なんだ。配達か



帽子とマスクはめてたから怖い人かと思った



俺はそんなことを思いながら玄関の鍵を開ける



すると



『!!!』



すぐさまドアが引っ張られ、目の前には配達の人



な、なんだ?



配達?「ダメだよ〜。知らない人がいるのにチェーンもかけないなんて〜」



すぐさま逃げようとするけど足が動かない



ブルブルと体が震えているのがわかる



そいつは俺の腕を掴むとものすごい力で引っ張ってきた



『やぁっ…やめっ!!』



怖いっ!!!



何もかも察した俺は目をぎゅっと瞑る



すると



あなた「気持ち悪いんだけど…」



誘拐犯「なっ!!!」



何か手に持っているあなたちゃんがそいつの後ろに立っていた



『だっ!!ダメ!!家の中に!!』



俺が言葉を言い終わる前にあなたちゃんは手の中にあるものを思いっきり引っ張る



ビビビビビビビッ!!!!



うわっ!!



その何かから大きな音が鳴ってそいつも俺も肩が跳ねた



あなたちゃんはそれを見逃さなかったのかすぐさまそれをそいつの顔めがけて投げる



誘拐犯「うわっ!!!うるせぇっ!!」



それを掴もうとして僕の手を離すそいつ



あなたちゃんは僕の腕をそのまま掴んで家の中に入り鍵とチェーンをかけ



廊下をどんどん進んで何かキョロキョロして確認している



あなた「…よし…」



何か確認し終わったあなたちゃんは、家電に110と打ち込み、電話し始める



あなた「あ、ごめんなさい。小学3年生が誘拐されかけたんですけど…はい…はい…」



淡々と頷き、無表情で言葉を返すあなたちゃん



こわっ…



一年生だよね?



大人びててもこんなことにはならないでしょ…?



俺がおかしいだけ?



あなた「…ここの住所は?」



『あー…宮城県…』








『…』



あなた「…」



あの通報をした後、すぐさま両親も帰ってきて誘拐犯も捕まった



お母さんたちは僕とあなたちゃんに抱きつきながら「ありがとう」とか「無事でよかった」って何回も言ってる



そんなあなたちゃんはやっぱり無表情で何を考えているのかわからない



ただ、ずっと右目目尻と右頬を指で触っている



俺も真似してみるとあなたちゃんがいきなり声を出して泣き出した



あなた「怖かったぁ〜!!!うわぁぁぁんっ!!((泣」



流石の俺もギョッとする



この子のONとOFFのスイッチすごくない??










小学一年生はこんな冷静に処理できません。この物語はフィクションです

プリ小説オーディオドラマ