(you side)
近づいてきたモブ男は
ぷす
っと私の腕に何かを刺し、また焦点のあっていない目で笑う
あ、、、、
眠‥‥‥
______________
またしても目覚めたのは同じ景色。
コンテナのような狭い空間に写真がびっしりと貼られている。
変わらないけど
上の服ははぎ取られ、下着一枚。
両方の足と腕は片方ずつベッドにくくりつけられて、大の字になっている。
じりじりと近寄るモブ男の手にはハサミが握られている。
必死に抵抗するも何もできない。
ビッ
ゆっくりゆっくりハサミで切り進めていく。
嫌だ‥‥‥怖いッ
助けて康二‥‥ッ‥‥!
バンッ!!
大きな音がして、振り向くとそこには汗だくの康二がドアを蹴破って息を乱していた。
康二は、私にジャケットを羽織らせると
私が見たことないような恐ろしい目でモブ男を睨み、ぐいっと胸ぐらを掴む。
ドサッと男の胸ぐらを放し、私の拘束を丁寧に外す。
ぎゅっと力強く抱きしめると、康二は涙を浮かべていた。
康二のぬくもりも全身に感じながら、私も涙がじわりと浮かんでくる。
あの後、モブ男は警察に捕まり、こう言ったそう。
『同じキャバクラの沙綾って女に騙された』
と。
モブ男によれば、私がモブ男のとこを大切な方だと言っていたと嘘を吹き込み
押せば簡単に落ちるだろう
と沙綾がモブ男を惑わしたという。
それがママの耳に入り、沙綾はお店を辞めていったらしい。
私はというと。
あの事件があってから仕事に出ることが怖くなり、康二の提案で一緒に暮らしている。
外に出るのすら怖くなり、男の人が後ろから近づいて来ると、あのときの光景がプレイバックしてきて、震えが止まらなくなる。
それは、康二にもだった。
後ろから康二に声をかけられただけなのに。
体がビクリと反応してしまう。
その度康二は正面を向いてぎゅっと抱きしめてくれる。
わかっていた。
そう言う康二の顔がとても苦しそうな顔をしていること。
もう、康二に辛い思いさせたくないな_______












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。