第12話

【奇病青赤】片想い。
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2024/02/29 19:55
日記
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やあ
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青赤です!
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奇病、自殺、バドエン気味
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上記注意です!
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優しい青と花咲病の赤のお話です!
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元ネタ
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急いで書いたからちと変なところあるだろうけど見過ごしてねん
こんにちは。僕に名前はありません。
種族名は「赤ピクミン」なので、赤とでも言いましょうか。
そんな僕には、好きな人ができました。
好きな人が、できてしまいました。
君、大丈夫?ほら、手掴んで
そう言って、転んで足を痛めて立てなくなった僕に手を貸し肩を貸しオニヨンまで連れて行ってくれた優しい彼。そんな彼が好きになってしまったのです。
これが、僕らの最初の出会いでした。
男同士でなんて、おかしいですよね。
それでも、彼の特別になりたくて。
僕も、わかってます。
こんな下衆な僕と優しい彼が釣り合う訳ないなんて事、
所謂「花咲病」に生まれつきかかっていた僕の恋なんて実る訳ない事。
僕は、この病気が好きでした。
誰にも好かれず、静かに息絶え咲き誇る。
その確信があったから。
誰にも関わらなければ、もう傷つくことなんてないから。
モブ
    !
あぁ、あの時はなんて言われたんでしょうか。
彼は、たびたび僕を守ってくれました。
悪口を言われて落ち込んでいた時も、フッと彼が現れては僕を励まし悪口を否定してくれる。
あんなこと、信じなくていいよ。きっと君はそんなことするほど弱くないからね
これは、昔言われたとても印象的な言葉。
先天性故に病の進行は遅いけれど、それでも根が張って関節が動かしにくくなっていた僕は弱いです。みんなのように走り回って遊んで、疲れて眠るなんてことはできないのです。
なのに彼は、僕に「弱くない」と言ってくれた。
「頑張ってる君は誰よりも強い」
彼のその言葉が、僕の生きる意味でした。
...一目惚れだったんでしょうね、彼と一緒にいるとずっと心臓が高鳴ります。痛いくらいに、ぎゅ、ぎゅ、と締め付けられ、ぎち、ぎち、と歪な音を立てて軋むのです。
...ふーーーっ...
この日も、僕は彼と一緒に散歩をしていました。
ふと苦しくなって、心臓が痛くなって、ぎこちなかった足の動きを止めます。
どうしたの?あ、またどっか痛い?苦しい?
僕はその心臓の痛みと息苦しさの原因が何か知っています。
彼が、好きだから。
「好き」ただその一言を伝えたくって、喉元まで出かかっているのに、嫌われるのが怖くて言えないのです。
それが、痛くて苦しい。
..いえ...大丈夫...です
本当?息苦しそうだから、そこで少し休もうか
そう言うと彼は、ひょいと軽く僕の体を持ち上げて、近くの倒木の影まで運んでくれました。
心臓が激しく脈打つ。この音が聞こえていないといいのですが。
...なんか、辛いこととかあるの?僕でいいならいくらでも聞くよ
倒木の影に座って、彼は僕に言いました。
「強制じゃないよ、
ただ吐くだけでも楽になると思って」
そう彼は言ってくれました。
それで、僕は察されないように話したのです。
...僕には好きな人がおりましてね...
そう言った途端、一瞬、彼の顔が歪みました。当たり前ですよね、僕なんかに好かれる人が可哀想なんでしょうね。
...優しくて、暖かくて、いつもそばにいてくれる、とてもいい人なのです
この話をした僕が馬鹿でした。
へぇ!そんなにいい人なんだね!君はとても綺麗で優しくてしっかりとした人だから、きっと実るよ!
優しい顔。
その時です。ぐぢゃ。なんて音を立てて、僕の何かが崩れ落ちたのは。
決めた。僕はこの恋を、なんとしてでも諦めます。
少し前、いつでしょうか。あれから目も耳も悪くなり、もうどの記憶も曖昧です。いつかに、薄暗い場所で彼がどこに住んでいるのかを聞いた気がします。
なので、ふと彼のいるであろう場所に足を運びました。
彼の声が聞きたい。彼にまた会いたい。その一心で、僕は彼のいるであろう場所に向かいました。すぐに息が上がる。目が霞んでいる。音もまともに聞こえない。それでも、僕は彼に会いたかった。


最期に一言、「好き」と伝えたかったから。
その時、彼のいるであろう場所へ向かう途中、僕は彼を見つけました。
見つけてしまいました。
〜〜〜?
〜〜〜!!
楽しそうに笑う、1人の女性と彼。
あぁ、
「やっぱりか」
そう思いました。
あんなに素敵な彼に、恋人がいない訳ないのです。
その場で波が溢れて、それを隠さず下手くそな足取りで、泣きながら逃げました。やっぱり、弱いんです。僕は。
諦めきれない僕が悪いのですが、正直、心底傷つきました。
全て、全て僕が悪いのです。
こんな体に生まれてしまったから。男として生まれてしまったから。全て、全て僕が悪いのです。
もし、花咲病なんて持っていなかったら。もし、僕が女性であったら。そうだったとしても彼が振り向いてくれる可能性は夢のまた夢ですが、夢でもいい。0.001%の可能性があるという事実だけがただ恋しかった。
生まれて初めて、僕の病気を呪いました。
花なんて咲かなければいい。
可憐さも、美しさも、何もいらない。
ただ、彼が愛おしかった。
ただ、彼が欲しかった。
「抱いてほしい」だなんて思う夜もありました。おかしいでしょう?僕、彼に狂わされたんです。
それほど、彼が好きでした。
そして今、時刻は午後11時過ぎ。
僕はある方法を思いついたのです。彼を完全に諦める方法を。
自身から生えた植物のツタを、首に何重にもして巻きました。そのツタの先端を、自分より少し背の高い植物の茎に登って足元の茎に括る。
そこから飛び降りれば、ちゃんと地に足はつきません。
あ“...ッ....ぁ”ッ....が..
苦しかったですが、今までと比べれば全然マシです。
さぁ、彼の事が好きな花咲病の僕に別れを告げて。
あぁ、やっぱり少し、報われたかった。

最期の後、彼に咲き誇った僕を見つけてほしいな、なんて少しの期待を胸に。

苦くて酸っぱくて、そして少し甘い僕の初恋は今、ここで幕を閉じました。
赤〜?
僕は、彼を探した。
突然だけど、僕は彼が好き。
男同士なんておかしいかな、なんて思うけど、好きに形なんてないし人それぞれだと思うんだ。だから、その事さえわかってもらえればきっと、なんて夢を見過ぎかな。
いつも、彼と僕はここら辺で話をする。
だから、今日もここで待ってくれてると思った。
昨日は妹に、彼のことについて恋愛相談をしていた事もあって彼に会う事ができなかった。
でも、今日やっと心を決めた。
僕は、彼に告白をします。
「愛してる」って言って、すぐにギュッとハグをしてキスをして———なんて少し妄想がすぎるけれど。
...え?
彼を見つけた頃、彼は美しく咲き誇っていました。
身体中には主にコリウスと沈丁花、真ん中に美しい月下美人が咲いていて。周りの花々もアネモネや黄色いバラ、白いチューリップなど季節など気にせず花が咲き誇っていた。
驚きと絶望、それと感動。
しばらく、見惚れていたと言うか、絶望感に打ちひしがれていたと言うか、そんな感じで固まっていた。
彼は生前、いつも右目を閉じていたが、その瞳にも花が咲いて、初めて見た彼の瞳が、こんなにも美しいものだったなんて、と思ってしまうのは、残忍すぎる考えだね。
でも、こんな事があって冷静でいられるわけなくて。
あ、赤?嘘、嘘だよね?ね?
あ、そうだ息———
その時にはすでに、息をしていたなかったし冷たくなっていた。
...嘘だよ.......嘘、赤は強いもんね?冷たくなんてならないくらい、暖かくて優しい人だもんね..?
その場でただ、言葉を並べる。
もちろん、返事はない。
代わりに花が返事をするように、そよそよと風に揺れた。
これで、これで終わり。
僕の初恋は、幕を閉じました。
最期まで君は、僕に何も言わせてくれなかった。
これが僕の、苦くて苦しい片想い。
日記
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前置きは含まれません!
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ちなみにイラストは赤が自殺したすぐ後です
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花咲病と言うか奇病自体詳しくないわ
日記
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だから雑いけど見逃して!!

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