考えろ、どうする。どう逃げる。なんとしてでも翔に被害を及ぼすわけにはいかない。
…あ。
”翔”に被害がいかなければいい。そう、あの子だけを守ればいい。
ごめんなさい、今回ばっかりは許せ、
あの人なら、急に亮平に突っかかられても持ち前の勘の良さで切り抜けられるはず。しかも亮平からしたら年下の弟みたいな存在だから、無理に突っかかるのは不可能。
マジで今回だけ、ごめんラウール。
あぶなぁ…。今度ラウールに会ったら高いフランス料理でも奢ろう。
何がおかしいの?とでも言いたげな顔で、あざとく首をかしげるシスコン。
奥手そうに見えて、実はグイグイ行くんだよなぁ、この人。
逆に私はビジネスの時とは違ってめちゃくちゃ悩む。
一個一個の発言にこれってどういうこと?ってなっちゃって、アクションまでに時間がかかる。ま、アクション入ってからはありえないくらい速いんだけどね。
その憐れむような眼をやめてくれ、私も嫌いなんだよ、このすかしてる感じなのに妙に乙女感出してるところ。どっちかにしてほしい、頼むよほんとに。
カッコつけやがって。こういう時に私たち兄弟なんだなって思う。変に名言を製造してしちゃうところ。
でも、
すぐに前を向く亮平と、ちょっと時間がかかる私かの違いか。
マジでうまい、しかもなんかちょっと一見さんおことわり感ある感じの本格中華。麻婆が辛美味い。
そういうんじゃないんだけどなぁ…
まだ学生なんだから、親のすねかじっとくのも選択肢なのにそれをしない。むしろ自分から扶養抜けしに行ったし。
甘えがない。完璧人間、いや、
完璧でいようとしている。
本人は気づいてるか知らないけど、一番近くでよく見てきた俺はそう思う。
なにか、なんでか分からないけど、ずっと小さなころからあなたは完璧を徹底しようとしている気がする。まぁ実際ほんとに完璧だし。
俺はどんなあなたでも大好きだけどね?
ほら、こうやって分かってるふりしてるのも、俺にだけ隙見せてんのも知ってるし、愛おしいよね。
家まで送ってくれた亮平に手を振って帰宅。
うん、今日はカーテン全部閉めなくても寝れそうだ。
久しぶりに昔の夢を見た。
アンケート
タイトルだけで新作選択
たぶん他人。
52%
俺だけの王子様
48%
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!