そう、私は不躾だけど吐き捨てたように
ミクに向かって言った
言われた本人であるミクは人間のみたいに
驚くも考える素振りの一切も無く
姿勢を良くしたまま言葉を続ける
真なる幸福は眩しいくらいに立ち続ける者に
固執するものではない、自分なりの価値観や行動を
持つこと……結局私はヒーローと敵に執着しているだけだ
だからこそ、なんだろうな……
ミクは私と話していた時とは打って変わって
砕けた話し方でヘッドホンに手を当て誰かに話し込んでる
聞いていると……さっき話し始めていた
"マスター"?さんと何か話している
私は手持ち無沙汰な気持ちを感じつつも制服の袖を
弄ったり目線を部屋に見渡したりして、時間を潰す
声色や情報なら兎も角、脳内まで分かってしまうとは……
ミク前では本当に嘘がつけない、つけられない事が
当時でも察してしまった
同時に、脳内を弄くる事もせずに考えている事を
分かるなんて……本当にミクを作った人は
何者なんだと今でも考えてしまう
まぁ……こんなのを作り出す人だから
きっと誰よりも真面目で秘密主義な人なんだろう












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。