ロンジュンsaid
目が覚めると白い見慣れない天井があった。
横を向けば、真っ白いカーテンが心地よく丁度良い風でなびいていた。
俺は、重い身体を持ち上げて風になびくカーテンの方を向き、外の景色を見る。
ふと、横腹の方に温もりを感じて目を落とすと、
ヒョンが椅子に座りベッドに上半身だけうつ伏せになって寝ていた。
...、真っ白いからシーツと同化して分かんなかったやㅎㅎ
そんなことを思いながら、愛しの兄の頭を撫でる。
きっと、ヒョンのことだから俺が倒れてから寝ずに隣に居てくれたんだろう。
ほんとに、、
でも、そんな自分の兄も愛おしくて、それよりすんごい久しぶりに寝顔を見れた気がしてただ嬉しかった。
暫く美しい横顔を眺めていると、
呆れてため息を吐くと今までに無いくらい強い力で抱き締められる。
久しぶりすぎて身体が硬直する。
ヒョンを見ると優しく笑っているけど目に光は無く、その表情は今まで見てきた人の中で1番と言っていいほどの恐怖を感じさせるものだった。
いつものヒョンじゃない...。
瞬間的にそう思った。
ヒョンは俺を見ているようで俺じゃないどこか遠くを見ているようで離れていってしまうのではないかとという恐怖も感じた。
俺が何も言えないで居ると、
個室のドアが勢いよく開いたかと思うと、病院だと言うのに馬鹿デカい声を出すヘチャンと、ソヌさんと...、あれは...えっと、誰だっけ、?💦
ヘチャンは俺を意外にも優しく抱き締めてきた。
俺もお返しをするようにトントンと背中を優しく叩いた。
そう言う、ソヌの指差す方を見ると
抱き締める力が強くなるから苦しくなる。
全く、こいつはもっと手加減というものを知って欲しい。これでも一応、病人なんだからさ。
そう言いヨンフニヒョン?に優しくハグされる。
背が高くて細いのに筋肉もあって温かい。
もっとギュッと抱き締められるから実の兄に助けを求めようと探すけど居ない。
あれ?さっきまでいたのに...。
ヒョンが現れると3人とも顔色を変えて、ヨンフニヒョンは俺からバッと離れる。
チャニヒョンを見ると、首を右に傾けて腕を組んでドアの前で突っ立っている。
表情からはいつもの優しさが全く感じられず、ただ怖い表情をしていた。
俺は勝手に出る涙が止まらなくて布団で顔を覆う。
こんなすぐ泣く弱い自分が本当に嫌になる。
ヒョンは間違ったこと言ってないのに、ヒョンに怒られると呆れられて離れていってしまうのではないかと怖くなる。
ヒョンは優しく抱き締めてくれた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ドンヒョクsaid
俺は正直いうとロンジュンのヒョンが苦手だ。
ロンジュンは単純で可愛くて接しやすいけど、チャニヒョンは何もかもが読めなくてロンジュンと仲良くしている奴を敵対視するようなそんな真っ黒い目をしている気がするんだ。
何か、とんでもなく深い闇を抱えているようなそんな感じ。
まぁ、ロンジュンが時々発作を起こすし、精神安定剤飲んでるからこの兄弟に何かあるのは確実なんだけど。
俺の中でロンジュンは特別な存在だから尽くしたいけどあのヒョンがいるとなかなか思うように行動できないんだ。
ロンジュンもロンジュンでチャニヒョンの言ってた通りマジで危機管理がなってない。
たぶん自分が可愛いい事を自覚してないんだと思う。
上手くあの兄弟の事情は聞けないけど、、俺にはあの二人は単に家族愛が強いんじゃなくて、2人ともお互いに依存し合ってるって思うから絶対普通じゃない。
何かあるなら助けにまわりたいけど...、俺みたいな凡人が関われるようなそんな小さな問題じゃない気がするのは気の所為だろうか...。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。